これまではAmazon Wardrobeという名称で展開していたサービスが「Prime Try Before You Buy」。
名称変更は「わかりやすさ」を狙ったもので、サービス名の通りに「買う前に試着できるよ」というサービスなのですが、気になるのは「試着サービスは使い回せば服買わなくても生活できるんじゃないか」ということ。

生活できなくても、試着で1日だけ借りれば、要所のイベントだけ乗り切って「いつも同じ服着ている人」のレッテルは貼られずにやり過ごせるんじゃないか、と企んでいます。
まずはAmazon Try Before You Buyの簡単な解説をしてから、試着使い回しでどれだけおしゃれを楽しむことができるのかを考えていきたいと思います。
Prime Try Before You Buyってなんだ?

プライムトライビフォーユーバイについての解説です。もう毎回記述するのも面倒なのでプライム試着サービスと書いていきます。
簡単なサービスの説明
ざっくりと説明すると、プライム会員特典の試着サービスです。
サービス内容

プライム試着サービスの特徴をかいつまんで説明していきます。
- 7日間の試着期間がある
- 対象は「Prime Try Before You Buy」のロゴのある商品
- プライム会員なら利用可能
- 最大6点まで利用可能
- 返送・購入手続きが完了後に、再度利用可能
ものすごく簡単に言えば、「7日間支払いまでの猶予期間がある」上に、「返送手続きは簡単」というのが、Prime Try Before You Buyの特徴です。
返送までの一連の流れ


- Prime Try Before You Buyの対象商品を注文
- 配達完了から最長で7日間試着が可能
- 試着期間中に「返送する商品」を選ぶ
- 購入品・返送品の手続きをする
- 一緒に送られてきた返送用伝票と一緒に送られてきた箱に詰めて返送すればOK

あくまでも「試着が可能」なので、7日を過ぎて返送手続きがされないと購入手続きに自動で切り替わります。

返送方法はコンビニ持ち込みヤマト運輸の集荷サービスも利用可能。生活動線で完結できるし、面倒なら取りに来てくれるのは楽ちんですね。
価格について
利用する条件としては「Amazon プライム会員」である必要があります。逆に言えば、月額500円で利用できるサービスでもあります。
ファッションのレンタルサービスよりコスパはいい
アパレル・ファッション関連のサブスクは対応ブランドや点数、小物の対応などで価格はまちまちですが、ライトプランで3,000円から高額プランだと1万円を超えるというのが相場。
プライム試着サービスは基本的には「返品できる」くらいのサービスなので同列で扱うことはできませんし、ファッションサブスクは「プロのコーディネーターが厳選」などの付加価値の方が役割としては大きいので、「月額500円、安すぎ!」とまではなりませんが、コスパがいい感じはしますね。

プライム会員なので、当然送料は無料ですが、お届け時の箱を使って返送伝票を書くだけで、返送料も不要になります。
価格の特徴
- 月額500円のプライム会員である必要がある
- 送料・返送料は無料
- Amazon Fashionは一部配送料がかかる
- ファッション系サブスクよりは安いがファッションとしてのサービスは薄め
- 試着サービスと比較すると送料無料で余計な手続きが不要なのがポイント高め
あくまでも価格だけの比較になりますが、プライム会員の特典も利用できて月額500円はかなり安いと思います。
プライム会員じゃなくても利用できる「Amazon Fashion」というサービス
とはいえ、プライム会員じゃなくても無料の返品期間が30日間用意されているAmazon Fashionだけでも十分、という方は多いと思います。

価格で選ぶ場合の分かれ目は「服を買うときは2,000円以上注文する」という方であればAmazon Fashionを利用するだけでOK。

送料は気にせずに、元々プライム会員、あるいはPrime VideoやAmazon Musicなどのサブスクサービスにも興味がある場合はPrime Try Before You Buyがおすすめという感じですね。
どんな商品が対象なのか
Amazonの全てのファッションブランドが対応しているわけではありませんが、prime try before you buyはAmazonがアパレル系にも力を入れていきたい様子が伺えるくらいのラインナップは取り揃えてあります。
対応ブランドの一例

ジェラートピケやスナイデルといった福袋でも人気すぎて秒殺されるブランドから、アディダス、FILA、アシックスといったスポーツブランドも取り揃えています。
スポーツブランドの試着についての云々は後半で書きますが、「ちょっと着てみたい」というブランドもありますすが、Amazonの商品検索システムを利用しているので、自分の好きなブランドを探すのは少しコツが必要です。

個人的には、ファッション関連のアイテムを探すときは楽天市場の方が楽しいですね。
試着だけして服は買わずにやりそごせるのか
サービスの概要をチャチャッと説明していきました。
「試着と言いながら、普段着として使って、そのまま返送したら洗濯もしなくて楽なんじゃないか」という悪い考えが浮かんだのですが、これって実際にできるんでしょうか。
どんな商品でも返送できるわけじゃない
利用規約を眺めている限りでは「ギリギリ行けそうだけどリスクは高い」という感じです。
まず、引っかかる規約はこの部分です。
タグ問題
- Q試着はどのように行う必要がありますか?
- A
試着の際は商品タグをつけたまま行ってください。返送の際は、商品タグをつけた状態で返送してください。
まず、タグをつけておく必要があります。これは致命的です。もちろん、タグくらい巧妙に隠しておけばなんとかなるかもしれませんが、
「あっ、タグがついているよ、とってあげるね」なんてお節介をかけられた日には、そのままお買い上げせざるを得なくなります。タグをつけて歩いている方が悪いっちゃ悪いのですが。
屋外では利用できない
- Q試着はどのように行う必要がありますか?
- A
(続き)お届けした商品は室内での試着は可能ですが、屋外では試着をしないでください。
加えて、規約的には屋外着用も禁止となっております。
返送されたものが屋外で着用されたものかどうかを確認するために、科捜研の女バリに土埃の付着情報などを鑑定するとは考えにくいところです。ですが、外に来ていって泥でも跳ねた日にはそのままお買い上げになります。
この段階で、規約通りに試着する洋服を着こなすとするならば、屋内での活動において、かつタグが目立たない、あるいはタグこそがデザインの一部だと言わんばかりのものを厳選することで回避できるかもしれません。
逆に言えば、メーカー側としてはタグを目立たなくするようなことをすると、Amazonではやたらと着用感のある返送が多くなってしまうかもしれません。要注意です。
試着で生じうるダメージとは何なのか
- Qどのような商品でも返送することができますか?
- A
試着では発生し得ない消耗やダメージ(しわ、ソールの汚れ、ソールの傷など)があるものや、香水やたばこの匂い、ファンデーションなどの化粧汚れが付着したものなど、使用済み商品の返送は承りません。Amazon.co.jpの返品ポリシーに基づき、返送された商品は、返送に関する基準を満たしているかを判断します。
次に、試着では発生し得ない消耗やダメージがついたものは返送することができません。これはprime try before you buyだけではなく、Amazonの返信ポリシーに基づいています。
かぶって着るタイプの商品はスカーフなどで顔と頭を覆ってご試着ください。水着や下着はお客様ご自身の下着を着用のうえご試着ください。シューズは靴下やストッキングなどを着用のうえご試着ください。
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html/ref=s9_acss_bw_cg_SLCGDFX_md2_w?nodeId=202063080&pf_rd_m=A3P5ROKL5A1OLE&pf_rd_s=merchandised-search-7&pf_rd_r=PNKBD45C1C37C24K6NV7&pf_rd_t=101&pf_rd_p=b7c2529b-bc2b-42a3-844a-1fb25a093398&pf_rd_i=5425661051#GUID-75BBDF66-B878-40FA-B505-DF9E524FA8D3__SECTION_07CC626C69204C20A10861A91AFFDE9C

下着も試着できますが、パンツの上にパンツを履く感じなので、若干サイズ感がずれますね。というか、試着できたんですね。
どこまでが試着として許される損傷なのか
これはやや曖昧な部分があるのですが、逆に「どのような試着方法までは試着とみなされるのか」を見直していく必要があるのかもしれません。
例えば、スポーツブランドのジャージを購入するとします。しかし、どうしてもサイズ感や色合いを確認したいとなれば、プライム試着サービスを利用したくなるのは必然と言えます。
我々は、こういった「別に見た目とか気にしていないよ」というジャージなどこそ、買い物で失敗したくないと思っているものです。しかし、試着してまでジャージを買うのか、と思われるのも癪なので、無難なサイズ感のものをさっと手にとって会計しがち。
プライム試着サービスのような「誰にも、何を選んだかもわからん状態でこそ試着したいもの」こそがジャージであるとも言えます。
さて、このジャージを試着する場合、もちろん着てみるのは当然ですが、ジャージですから、ちょっとストレッチや足踏みなどをして試着することくらいは許されそうな感じがしますよね。ジャージですから。きっと許してくれるでしょう。
では、何を持って人はジャージをジャージと認識するのでしょうか。Wikipediaによれば、以下のものをジャージというようです。
ジャージー(jersey、ジャージ)とは、天竺生地(メリヤス)の別名。または天竺生地で作られた衣類、特にトレーニングウェアのことを指す。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BC_(%E8%A1%A3%E9%A1%9E)
さて、そうなると「メリヤス」って何だ、という話になるのですが、メリヤスってのは編み方であり、その編み方で編まれた生地のことを言います。メリヤス、という場合には肌着をさし、ジャージという場合にはアウターのものを指すようです。
どこまでを我々はジャージとして認識していいのか
おいおい、ちょっと待ってくれと。つまり、捉え方によってはメリヤスで作られた衣類全般はジャージと認識する可能性は十分にあるわけで、我々が思っている以上に、一般的な肌着や、ヘタをするとちょっとした編み物ですら「あぁ、これはジャージですね」と言い出す輩もいるということになります。
先のジャージの定義に戻ると、現在ではトレーニングウェアとしての一般的な呼称がジャージですから、人は誰しも、試着するときには多少の運動を試してみたくなるところです。野球を1試合試す輩はいなくても、シャドーピッチングや素振りをしてみる奴はいるでしょう。
規約に戻ります。つまり「試着では発生し得ない消耗やダメージ」というのは、ジャージ的解釈をするのであれば、「ストレッチや店内のランニング、特定のスポーツの練習動作」くらいまでは許容されるべきであるとも言えます。
つまり、Amazonとして「ジャージ的解釈」をどこまで運用できるのか、我々は膝を突き合わせて話し合う必要がありそうです。
、、、ジャージ的解釈って何だ?
試着には試着のモラルとマナーを守るべき
冗談はさておき(冗談ですからね)、屋内でさっと着ただけで生じうる生地が擦れたようなものや埃、ほつれくらいなら許容されそうな気もしますが、我々にも試着マナーというものがあって然るべきで、相手に返す可能性があるものは丁寧に扱われるべきです。
仮にわざとではなくても、最初からついていた汚れであっても、返送するときには一言添えて返送するべきなのかもしれません。流石に、自分でつけていない傷や汚れに関して弁償する必要はないと思いますので、正直にその旨を伝えることはトラブルを避ける上でも大切だと思います。
結論としては、試着は試着
記事をまとめているときにうっすら気づいてはいたのですが、やっぱり試着サービスと「サブスクリプションのファッションレンタルサービス」は異なります。
試着ですから、外に来ていったらアウトですし、ジャージ理論を持ち出すのはユーザー側のエゴであって、普通、試着で汗ばむくらい運動はしないのです。汗じみ、臭いの付着も返送不可ですから。

あくまでも、7日間の返品期間が設けられた試着用のサービスです。いろんな洋服が着てみたいという場合には、専用のサービスを利用するのが一番です。
ファッションレンタルサービスならクリーニング不要
ちなみに、ファッションレンタルサービスはクリーニング不要なものも結構あって、ジャージ的な使用方法で汗ばんで洗濯するの面倒だな、というものはそのまま返すこともできます。ファッションレンタルサービスでジャージをレンタルするのはそれはそれで勇気が必要だと思いますが。
自分が利用したいサービスが「試着は気兼ねなくしたい」ものなのか、「いろんな服を試しに着てみて、気に入ったらそのまま購入したい」なのか、そもそも「毎月、プロのスタイリストに選んでもらったものを着てみたい」なのか、「洗濯するのが面倒だからおしゃれでクリーニングが必要な洋服を気兼ねなく着て、できればそのまま返却したい」なのかはしっかりと見定めたいところです。
結論:Prime Try Before You Buyはレンタルサービスではない
当たり前の結論を大きな見出しにしてしまい、愛想尽かされそうですが、試着サービスは試着サービス。ファッションレンタルサービスではないのです。
Amazonの試着サービスを利用する際のポイント
- すでにAmazonプライム会員ならどうせ無料だし利用するべし
- プライム会員なら月額500円でその他サービスも豊富
- 送料・返送料無料だから、どんなアイテムでも気軽にトライできる
- でも、実はそもそも30日間は返品可能なAmazon Fashion
レンタルサービスみたいに使える?
- 結論だけ言えば無理
- 試着は試着
- レンタルサービスは独自のサービスで選ぶべし

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