便利な世の中になったもので、今や、スマホを保険にかけることができるようになりました。そのうち、スマホを人質に保険金詐欺も横行するかもしれません。
さて、雑なリード文で恐縮でしたが、私のサイトでは「AppleCare」と「スマートパス」で、iPhoneを新品に交換する、という実に怪しげな錬金術記事が人気を博しています。博しすぎて、たまにお叱りのメールを受けるくらいです。

先に断っておけば、iPhoneに関しては、AppleCareの保証期間内は無償で交換可能です。ですが、保証期間外に壊れた時の修理代は、えげつない。


そして、このAppleCareという公式のスマホ修理保証サービスなのですが、異様に、高い。高すぎる。
というわけで、このページでは、「モバイル保険」というスマホなどのデバイスの修理保証をしてくれる保険サービスと、類似するサービスであるJustInCaseという保険アプリについて比較していきたいと思います。
モバイル保険の使い勝手がいいという話

まず、先に紹介するのは、当サイトで「AppleCareの当て馬」として、こんな保険があるよと紹介してから、該当記事より人気になってしまった「モバイル保険」について。

モバイル保険の概要
「月額700円で最大3端末まで保証」してくれるので、一見すると公式メーカーの保証の方が安そうですが、「デバイスの縛りなく3台保証」してくれる上に、よくある水没なんかにも対応してくれるので、「とりあえずお勧めするならこのスマホ保険」ということで人気になっています。
https://mobile-hoken.com/service.html
補償金額
修理費用保険金として年間最大で10万円まで。
年間10万円はかなりすごいです。
auのスマートパスは、契約した端末1台に対して、月額400円で1万円まで、2回までの補償金額ですから、月額が少し高いのは気にならないくらいだというのは伝わるような気がします。
他社とのサービス比較
2020年3月現在です。本気で気になった場合は、各自公式HPでご確認ください。
比較項目 | モバイル保険 | au | Docomo | SoftBank |
月額 | 700円(非課税) | 707円〜1,190円 | 750円〜1,000円 | 890円〜1,160円 |
月額以外で修理時にかかる負担金 | 実質0円 | ・ 画面の損傷 3,400円 ・その他の損傷 11,800円 ・紛失盗難補償 11,800円 | 11,800円 ※すべてのサービス利用時にかかります | 画面修理 3,400円 その他の修理 11,800円 |
サービス加入タイミング | 期間指定なし(条件あり) | iPhone購入時 | iPhone購入後 14日以内 | iPhone購入時 |
利用可能回数 | 保険金額上限10万円まで (何回でも利用可能) | 2年で2回 | 1年で2回 | サービス利用後6か月間の 利用制限あり |
対象台数 | 3台を1つの 補償で | 1台(購入端末のみ) | 1台(購入端末のみ) | 1台(購入端末のみ) |

ちなみに、私はキャリアでau利用していますが、保証は過剰に手厚い分、お値段はそれなり、実質的な縛りが発生するので、キャリアのスマホ補償加入はしっかりと考えたいところです。

最大3台まで登録可能
Wi-Fiにつながるモバイル通信端末を最大3端末まで補償端末登録が可能です。
モバイル機器は洗濯時のポケット闖入事件で一網打尽

みなさんのご家庭では、どなたが洗濯されていますか?
私は経験上、ポケットに入れておいたスマホとモバイルWiFiとiPodを一度に洗濯してしまったことがあるのですが、自分で洗濯していても、家族の誰かが洗濯をしても、悲しい気持ちになるだけです。
このように、モバイル端末というのは、思っている以上に、同時に故障・盗難にあるリスクが高いものです。

鞄の中にまとめて入れておけば、盗まれたら一発でアウトですし、急なゲリラ豪雨に見舞われたら、こんな日に限って友達の家でやろうとしていたNintendo Switchも鞄の中で水没する可能性が潜んでいます。
とにかく、3台でも足りないくらいですが、全て別口で契約すると高くつく上に、ほとんどのモバイル端末は保険に含めること自体が難しいので、なんとなくお得な感じが伝わるかと思います。
想定されるモバイル端末
- スマートフォン
- タブレット端末
- スマートウォッチ
- ノートパソコン
- モバイル音楽プレーヤー
- 携帯ゲーム機
- モバイルルーター
端末の条件
- 購入から1年以内の端末であること
- 無線通信が可能であること
- 今現在正常に作動する製品であること
家族の端末でも登録できるのか
ご家族名義の端末でも登録可能です。
ただし、被保険者が使用または所有している端末のみ登録が可能です。
https://mobile-hoken.com/faq.html
家族名義の端末でも、所有が認められるものであれば登録可能です。

自分一人でモバイル端末3台は厳しいですが、家族の合計だと、3台じゃ足りないくらいですね。
気になる補償範囲内
Q : 「紛失は保険の対象でしょうか?」
A : 紛失は保険対象外です。保険の対象となるのは、「外装破損」「損壊」「水濡れ、水没」「全損」「盗難」です。
https://mobile-hoken.com/faq.html
逆にいえば「紛失」だけ対象外で、あとは概ね対処してくれる感じです。ただ、盗難の場合は盗難証明を警察に出してもらう必要があるので、忘れずに依頼しておきましょう。
修理ができない場合はどうなるのか
修理ができない場合でも、25,000円の補償が受けられるようになっています。
【修理不能と診断された場合】
主端末 最大2万5千円
副端末 最大7千5百円※ 故障した端末の購入金額が上記金額以下の場合はその金額を上限に補償いたします。
※ 購入端末が中古品の場合、メーカーの保証期間が終了しており当該端末の交換部品が調達できずに修理不能となった場合は、保険金のお支払いはできません。
https://mobile-hoken.com/faq.html
修理先を選ばない
Appleとの比較で恐縮ですが、iPhoneの修理の場合、Apple Storeかそれに準ずる店舗、言い換えると「公式の修理サポート」以外での修理はほとんどできないものだと思った方がいいです。

街の至る所に、iPhoneを修理してくれるお店があるけど?
いいご指摘です。
iPhoneの修理キット自体は、ネットでちょいと探せば簡単に見つかります。
補償されなくなるリスク
ですが、注意していただきたいのが、正規の修理方法以外で「iPhoneを解体」した場合、以後、公式の修理サポートを受けることができなくなります。

故障で一番怖いのは、修理後にも不具合が繰り返されること。
例えば、街の修理屋さんでバキバキに割れてしまったiPhoneのガラス交換を依頼すると、公式よりも安く済む場合があります。
しかし、交換後の修理が補償されていない場合も多く、「ガラスを割った時の衝撃で、他の部分が壊れた」り、「純正部品で交換せずに、すぐにガラスが外れるようになった」なんてこともあり得ます。

公式サポートに泣きつこうにも、自己責任で分解したことになるので、補償が受けられないばかりか、かなり高額な修理費用がかかる場合もあります。

そもそも、AppleStoreは田舎にないしね。すぐに、代替機が欲しいのに。。。
とはいえ、Appleも田舎事情のことはよくわかっていて、Express交換利用で代替の新品機種を送りつけてくれますけどね。

キャッシュレスリペアとは
保険を使用することで、修理店で現金なしで修理してもらう、というもの。
モバイル保険の場合、保険販売代理店もあるので混同しがちですが。キャッシュレスリペアを利用する場合、あくまでも「修理を担当」した上で、「修理補償金を代理で修理店がもらう」という制度なので、全国でもほとんど対応している店舗がありません。
結局、モバイル保険は使うべきか
私は、長年、モバイル保険をアップルケアやau補償サポートの上位互換として位置付けてきました。

後述するjustInCaseが、検討の余地のあるスマホ保険としてリリースされたので、少し悩ましいところではあります。
ですが、もう少しjustInCaseの新機種に対する月額料金が下げられると踏んでいるので、まだモバイル保険が有利と考えています。
モバイル保険をお勧めしたい方
- メーカー公式補償やキャリアのサポートプランの加入を悩んでいる
- 安いは正義
- (家族も含めて)複数端末を保証対象にしたい
JustInCaseは対抗馬となりうるか

対する、justIncase のスマホ保険です。
こちら、今流行の「アプリのみで契約が完結」する手の出しやすい少額保険。

しかも、「AIで保険料を産出し最適化」されるという、なんか今風のすごい感じが出ているので気になるところ!
スマホ保険の概要
ざっくりいえば、「アプリで完結するスマホの保険」です。今のところは、iOS Appの提供だけですが、Androidもリリース予定ではあります。
料金設定が独特
料金設定は、利用する機種や、修理時の自己負担金(3,500円)を支払うかどうかで若干変わってきます。

最新機種ほど高いのは当然っちゃ当然ですが、修理上限も上がるので、全損した場合でも負担額は少なく済みそうです。
スマホ保険の月額
2020年3月現在です。詳細については、justInCaseのスマホ保険公式HPをご確認ください。
機種 | 自己負担金あり | なし | 修理費用上限額 |
iPhone 11 Pro Max | 916円 | 1,028円 | 135,800円 |
iPhone 11 Pro | 815円 | 927円 | 122,800円 |
iPhone 11 | 587円 | 699円 | 90,800円 |
iPhone XR | 632円 | 744円 | 101,800円 |
iPhoneXS Max | 959円 | 1,070円 | 141,800円 |
iPhone XS | 858円 | 970円 | 129,800円 |
iPhone X | 851円 | 963円 | 129,800円 |
iPhone 8 Plus | 622円 | 733円 | 106,800円 |
iPhone 8 | 556円 | 688円 | 95,800円 |
iPhone 7 Plus | 605円 | 717円 | 107,800円 |
iPhone 7 | 540円 | 652円 | 94,800円 |
iPhone 6s Plus | 512円 | 624円 | 83,800円 |
iPhone 6s | 456円 | 568円 | 72,800円 |
iPhone 6 Plus | 498円 | 610円 | 83,800円 |
iPhone 6 | 364円 | 475円 | 49,800円 |
iPhone 5S | 356円 | 467円 | 49,800円 |
iPhone SE | 356円 | 467円 | 49,800円 |
保険料が安い理由
弊社では通常の保険会社であれば外注するようなシステム開発も社内開発しており、またAIの活用により多くの事務を自動化しているためです。
https://justincase.jp/smartphone/

もう、最近はAI出しとけばいいみたいな流れ、あるよね。
justInCaseとは
私は、これからの時代の保険のあり方は「大きく転換」すると考えています。
顧客ごとに最適化された料金を提示できる
これまでは、被保険者を大きな同じ籠の中に入れて、クライアントのリスクは大雑把にしか評価せずに、一律の価格設定でした。

これだと、保険支払いのリスクが高い人は得するけど、多くの人は損する、しかも保険業者が儲かるための仕組みが強いので、クライアントの負担は大きいというのが特徴でした。

今回の例で言えば、スマホを壊しやすい人と、念には念を入れる主義で保険に加入する人では、保険料に違いをつけるべき。

実際には、スマホを壊すガサツな人の補償金を慎重な人が保険金で賄ってる感じだよね。
現状、スマホの機種による料金設定しかできていないようなのが残念ですが、利用期間によって割引もされるので、これからさらなる調整を行なっていくものだと考えられます。
保険業者も「スモールワーク」でガッチリ
これからは、保険業者の利益は確保しながら、運営費用は人件費や広告などの余計な費用を抑えることができます。
これまでの運営方法だと、利益を取りに行く場合はとにかく不特定多数のクライアント契約が必要でした。

そのためには、大規模な広告でとにかく多数の人に訴求するアプローチが必要でした。
これからは、自社運営のための「必要な利益」を確保した上で、より質の高い保険サービスを「クライアントに見合った価格」で提供できるようになります。
リスク評価はAIとビッグデータの活用
また、リスク算定においても、AIとビッグデータ活用によって、適宜・適切な価格が設定可能になります。そういった意味では、justInCaseの保険は理にかなっていると思います。
https://justincase.jp/aboutus/
スマホの少額保険は適材適所
今回は、二つのサービスを比較しましたが、過去のauなどのキャリア、Appleなどのメーカー公式保証と比較して以下のことが言えます。
そのほかの「スマホ保険」関連の情報を知る
2020年10月に追記しています。ようやく、各社とも本腰でスマホ保険に力を入れてきました。ここからは、新進気鋭のNew スマホ保険や、知っておくと便利な「家財(火災)保険」との併用などの視点からスマホ保険を考えていきたいと思います。
2021年以降のお得なスマホ保険情報
新たに記事に起こすのは面倒だけど、知っておきたい情報はサクッとお伝えできるように、ここで簡単に紹介していきます。
MYSURANCEの「スマホ保険」
このページでは、「モバイル保険」と区別するために、一般的な名称としてスマホ保険と略称を使っていたのですが、ややこしいことに「スマホ保険」をサービス商標として利用したMYSURANCEのサービスが誕生していました。
https://www.mysurance.co.jp/service/sumaho-hoken/
3つのプランでお得
MYSURANCEの「スマホ保険」では、3つのプランから自分に必要なサポートを選ぶことで割安に保険料を設定できます。

スタンダードプランが、470円で、紛失・水濡れ・盗難に加えてデータ復旧にも対応してくれるね。

データ復旧は修理すると高くつくからね。データ復旧ソフトでも対応できることは多いけど。
ライトプラン

スタンダードプラン

こどもスマホ保険


格安SIMに限定されているのが、吉と出るか凶と出るか

こども保険が珍しい感じがしますね。法律相談、必要なのかどうかは悩ましいけど。
クレジットカードのお買い物(ショッピング)保険
類似するサービスの第一号として、忘れがちなクレジットカードの買い物補償から。
サービスの概要
細かい部分はそれぞれのサービスをみていくのが一番ですが、ここではスマホ保険の話題なので「比較したらどうなの?」という点に着目して簡単に記載していきます。
- クレジットカードで購入したものが対象
- 保険金額、自己負担(免責)、回数制限はあるのが一般的
- 保証期間は90日前後
- クレジットカードの年会費に含まれる場合と、別途利用料金が必要な場合がある
- 故意・過失による損失は対象外であることが多い
一般的な項目で言えば、「自分の過失で壊すのがほとんどのスマホ保険」として使用するのには絶えないのがクレジットカードのショッピング保険です。
ただ、サービスを差別化するために、日用品の補償に力を入れているショッピング保険もあるので、そういったサービスが「スマホ保険」として利用できると考えられそうですね。
スマホ保険としては利用しづらいポイント
- そもそも「スマホ」が対象になっていない場合もある
- クレジットでスマホを購入する必要がある
- 使用期間・保証してほしい期間と付帯保険の保証期間にギャップがある
- 免責金額が大きいので、「修理した方が良さそう」となる(その分、限度額は高額)
- 審査に時間がかかる、書類が揃えられない

スマホはキャリアで買っちゃうと、クレジット会計にならないから保証の対象外とするショッピング保険もあります。

90日間の保証期間だと、2年間は使用したいスマホユーザーのニーズには合わないかもね。
セゾンカードのお買い物安心プランが許容範囲
セゾンカードのお買い物安心プラン[充実コース]が、なかなか良さそうな感じしています。

外出中に携行している持ち物が偶然な事故により壊れたり、盗まれた場合は10万円まで補償します!また本サービスに加入したセゾンカードで購入した商品は、100万円まで補償!※
https://hoken.saisoncard.co.jp/lp/svp/ad_y/
※購入日から180日間に破損・盗難にあった場合
自己負担額:1,000円
ショッピング保険をスマホ・モバイル製品に適用するなら、これくらいのサービスはないと、というのがわかりやすく体現されているのが、セゾンカードの「お買い物安心プラン」です。

ただ、紛失に対応していないので、ものを置き忘れる習性のある方はもう少し保証の範囲が広い保険を選ぶ必要があります。
携行品保険を考える
この辺りは考え始めたらきりがないので、他のサービスにどんなものがあるのか、スマホ保険を選ぶ際の参考程度にご覧ください。
JA共済の携行品損害担保特約付賠償責任共済契約は終了
JA共済連(全国共済農業協同組合連合会・代表理事理事長 柳井 二三夫)では、携行品損害担保特約付賠償責任共済契約(以下「携行品損害特約付賠責契約」)について、令和2年10月1日からお引受けを中止することとなりましたので、ご加入の皆さま等へ、以下のとおりお知らせいたします。
https://www.ja-kyosai.or.jp/important/20200813.html
文字通り、終了していたサービスです。
アイテム補償セット(YAMAP登山保険)
YAMAPという登山保険があります。あくまでも、参考程度ですが。
アイテム保険で対象外となる道具はありますか?
https://yamap.com/insurance
下記の(1)から(6)までに掲げる物は、保険の対象になりません。
(1) 船、航空機、自動車、原動機付二輪車および三輪車等、雪上オートバイ、リュージュ、ボブスレー、スケルトンゴーカート、自転車、スカイダイビング、ハンググライダー、パラグライダー、超軽量動力機、ジャイロプレーン、釣り具、サーフボード、ウィンドサーフィン、ラジコン模型およびこれらの付属品
(2) コンタクトレンズ、眼鏡、義歯、義肢、その他これらに準ずる物
(3) 衣類、靴、靴下、手袋、紐、その他これら消耗品に準ずる物
(4) 動物および植物
(5) 金銭、有価証券、手形、小切手、定期券、印紙、切手、鉄道・船舶・航空機の乗車券、宿泊券、観光券及び旅券、通帳、預金自動支払機カード、預金証書または貯金証書、クレジットカード、ローンカード、プリペイドカード、磁気媒体とそのソフト、その他これらに準ずる物
(6) 稿本、設計書、図案、帳簿、その他これらに準ずる物
登山というシチュエーションを想定した時の保険です。ただ、対象物は登山中のものには限定されていないので、登山家のための保険として幅を広げた形になります。

シチュエーション系の保険は、やはりそのシチュエーションにいない人が利用するのはしんどそうですね。
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