リビング向けの除湿機について必要な情報をまとめました。

まさか、除湿機が二つの記事に分かれることになるとは想像もしていなかったし、2回にわたってパナソニックをお勧めするのは、家電好きとしては少し気がひけるところ。
でも、いい製品であることに違いはない。
リビングに除湿機置くときに気をつけること
除湿機のチェックポイントについては後述しますが、除湿機というのは、除湿の方法によって注意すべきことがあります。
つまり、人がいる部屋と、人がいない部屋では除湿機の選び方は大きく異なります。
それなのに、サンルームに置く除湿機とメーカーがどちらもパナソニックになってしまったのは、これはもうシンプルにパナソニックの除湿機のスペックが良いから。

とにかく、まずは大型除湿機のラインナップを見ていきましょう!
大型の除湿機スペック比較表
まずは、中型〜大型の除湿機、いわゆるリビングなどの仕切りのない大きな部屋用の除湿機の比較表をつくってみました。
中〜大型除湿機 | 除湿方式 | 定格除湿能力/日 | 除湿可能面積(木造) | 衣類乾燥機能 | センサー | 排水タンク容量 | 消臭、花粉、カビ予防機能 | 運転音 |
三菱電機「MJ-M120NX」 | コンプレッサー式 | 12L | 15畳 | 衣類は6kg,ワイド送風180cm,少量速乾モードあり | 3D温度センサー | 3L、連続排水 | – | 49db |
パナソニック「F-YHRX200」 | ハイブリッド式 | 20L | 21畳 | 速乾モードで58分、マルチクロス送風 | カラッとセンサー | 5L | ナノイーX | 44~49db |
パナソニック「F-YHRX120」「F-YC120」 | ハイブリッド式 | 10L | 13畳 | 165cm幅のワイド送風 2kg75分 | カラッとセンサー、エコナビ表示 | 3.2L | ナノイー、花粉モード | 48db |
カドー「DH-C7000」 | コンプレッサー式 | 7.5L | 9畳 | 衣類乾燥モードあり | 湿度温度センサー | 3.5L、連続排水 | 除菌消臭剤ピーズガード噴霧 | 48db |
アイリスオーヤマ「DCE-120」 | コンプレッサー式 | 12L | 15畳 | 上下可動ルーバー、自動スイング機能あり | – | 4L | HEPAフィルター搭載 | – |
コロナ「CD-H1818」 | コンプレッサー式 | 18L | 23畳 | 上下左右にルーパーがスイング | 温度差センサー | 4.5L、連続排水 | 抗菌・防カビフィルター | 36db |
シャープ「CV-H180」 | コンプレッサー式 | 18L | 23畳 | 2kgで約100分、上下最大180度送風,約80分 | 湿温度センサー | 4.5L、ハンドル付き、連続排水 | プラズマクラスター | 52db |
表を見てもよくわからないと思うので、これだけは言えるという要点だけご紹介。
各メーカーの主力商品を解説
というわけで、数字だけのスペック表なんぞよりも「製品の特徴」を丹念に解説した方がわかりやすいので、見ていこうと思います。
三菱電機 MJ-M100PX
三菱の特徴は、エアコンでもそうですが、やはり3Dムーブアイでしょうね。大型除湿機になると、いかに電気代を削減していくか、効率よく稼働させられるかがポイントになります。

乾いていないところをびしっと知らせてくれる「光ガイド」も魅力的ですね!
三菱のここがちょっと、、、ポイント
三菱の場合、コンプレッサー式なので、今回の用途である「リビング」での使用は、季節によっては「湿度の回収が捗らない」可能性があります。

三菱らしい機能性を備えているだけに、部屋・季節を選ぶ使用なのは少し残念。。。
浴室乾燥ならむしろお勧め
逆に言えば、コンプレッサー式の中では最高峰なので、専用の洗濯干し部屋があったり、浴室の除湿もかねて使用する場合はかなりお勧めということになります。
パナソニック「F-YHRX120」
パナソニックのハイスペック機ですね。さらに上位、というかほぼ業務用になるのがF-YHRX200になります。
除湿機にあったらいいな、という機能は大体そろっています。というか、ある意味除湿機にはそこまで求めなくてもいいんじゃないか、とも思います。
特に金銭的に考えるものがなければオススメですね!
アイリスオーヤマ「DCE-120」
空気清浄機ではなく、あくまでも空気清浄機能付きの除湿機という、珍しい立ち位置の商品。加湿機能付き空気清浄機はよくあるんですけどね。
アイリスオーヤマとしては珍しく多機能で攻めてきましたが、機能を抑えた空気清浄機であればらしいといえばらしいですね。
コロナ「CD-P63A」
コロナにしては珍しく、機能の多さで勝負しています。とはいえ、基本の除湿能力はずば抜けて高いですね。

リビングでも吹き抜けとかで密閉できない環境下で除湿したい場合にはこういった強力な除湿機を使っても良さそうです。
シャープ CV-J180
こちらはシャープの高機能除湿機ですね。シャープといえばプラズマクラスターですが、除湿機とは意外と相性が良くてですね。
衣類乾燥除湿機に求められるのは、空気の循環を良くすることと、生乾きのニオイを抑えることですよね。プラズマクラスターの効果とばっちり合致しておりまして、
という、気になるニオイの除去にも役立っているわけですね。
あと、シャープの製品は、空気清浄機の時にも書きましたが、お値段がお手頃なんです。
今回紹介している製品は最上位クラスなのでお高めですが、パナソニックの最上位と比べればその安さは際立ちます。
除湿力は少し落ちますが、120シリーズでも一般的な家庭で使用する分には問題ありません。
カドー「DH-C7000」
わたくし、結構、カドーの製品が好きでしてね。空気清浄機でも、ウォーターサーバーでも、加湿器でも推薦してきました。

ただ、除湿機に関しては、少し推しが弱いかなぁ、と思うのです。
デザインはcadoらしさもでていますが、ダンボールでつくったスーツケースですし、機能としてもいまひとつ。
好きな人は好きだと思うのでご紹介しました。
除湿方法の種類

ここからは退屈な座学の講義です。「除湿機についてもっと知りたい」という方は続けてお読みください。
除湿機は大きく分けると2つの方式で、空気中の水分(湿度)を機械の中で結露させて湿度をさげています。
デシカント式とは
デシカント式というのは、乾燥させる方式です。
乾燥剤に空気中の水分を吸着させることで、部屋の湿度をさげます。これだと、乾燥剤を一時的にしか使えないのですが、さらにヒーターで乾燥剤の水分を気化させることで除湿機として活躍します。
デシカント式の特徴【メリットとデメリット】
デシカント式のメリット(長所)
- 気温の影響をうけづらい
- 本体サイズが小さい
- 運転音も小さい
デシカント式のデメリット(短所)
- 電気代が高くなる
- ヒーターを使うので部屋の温度があがる
デシカント式がお勧めの部屋
部屋の大きさが限られ、人が常時いるわけではないサンルームにはお勧めです。
また、冬場の寝室であれば静かに除湿できます。夏だと5℃ほど温度が上がってしまうのでエアコンを除湿運転にするなど、シーンでの使い分けは必要です。
コンプレッサー式とは
エアコンの「除湿モード」に近い動きですね。
熱高官による温度差を利用して湿気を結露させて水にするイメージです。
コンプレッサー式の特徴【長所と短所】
コンプレッサー式のメリット
- 除湿量が多い
- 消費電力が少なめ
- 室温が影響を受けない
- 温度差を利用するので気温が低いと除湿力が落ちる
- 冬の結露対策には使えない
- コンプレッサーが大きいので本体サイズが大きくなりがち
- 動作音も大きい
コンプレッサー式がお勧めの部屋
大きめなのでリビングなどでの使用となります。
ある程度広さの取れるサンルームや室内干しを考慮したフリールームなら使用も検討できます。寝室では音が大きいので利用しづらい。
ハイブリッド式とは
その名の通り、デシカント式とハイブリッド式のメリットをどちらも活かした方式になります。
性能が高まる分、当然お値段も高まります。

たかまるー。
ハイブリッド式の特徴
ハイブリッド式のメリット
- 機能性が豊富
- 省エネ機能などを搭載しているモデルが多い
- 「ハイブリッド」って言える
ハイブリッド式のデメリット
- 本体が大きい
- 値段もお高め
- 使用部品が多くなり、ほんのり故障リスクは高まる
ハイブリッド式がお勧めの部屋
人が過ごすことを想定した部屋であれば、なるべくはハイブリッド式としたいところです。
しかし、コストの面を考えると、利用シーンに合わせて二つの方式を使い分けて使用することも大切です。
もう絶対に通年使い倒す、という予定の方はハイブリッド式にすることをお勧めしますし、場合によってはその湿度と戦い抜くよりもリフォームで解決することもあるかもしれません。
除湿機を買う際にチェックするポイント
ここからは、実際に買う場合に、「自分の部屋にベストマッチする基準」や「適正価格の見極め方」について解説していきます。
除湿能力を比べる
チェックするポイントは2つで十分です。

ややこしい漢字が並びましたが、「部屋のサイズ」についての除湿機のチカラのことです。
送風能力は衣類を乾燥させる上で重要
衣類乾燥を想定するなら、送風機能についてもチェックしておく必要があります。
衣類乾燥モードと、ルーバーの可動性
まずは、集中的に乾燥するような「衣類乾燥モード」があるかどうか。
また、通気性をあげるために、送風できるといいのですが、この風がどの範囲まで届くのか、ルーバーは自動で動くのか、などがチェックポイントとなります。
排水タンクの大きさ
使用する部屋によって大きさを選んでいきます。
連続使用時間、使い勝手で決める
排水タンクが満たされると運転が停止するものがほとんど(当たり前か)。
使いっぱなしにしたいという希望があれば、大きめのものを選ぶ必要がありますが、その分、除湿機自体も大きくなります。(値段も上がります)

必要なキャパシティを決めて、使用シーンを想定することが大事です。
また、排水タンクが開きやすいか、持ちやすいか、なんてこともみておくと生活に馴染むかどうか判断できます。
面倒臭がりにはメンテナンス性も大事
先ほどの排水タンクもそうですが、使いやすさとメンテナンスについては気にかけるべきです。
掃除の必要性は高い
排水タンクは使用しやすい形状であることと、掃除しやすいことも大切です。
フィルターは交換式なのか、プレフィルターは掃除機かけるだけの簡易なものかみておきましょう。
消臭機能は最近の除湿機で付加機能として住み分け
高機能モデルには軒並みつくようになった「消臭機能」ですが、シャープの「プラズマクラスター」か、パナソニックの「ナノイー」が有名どころでしょう。

衣類乾燥は生乾き臭が気になる方も多いと思うので、ニオイでお悩みの方は消臭機能がついたものを選ぶといいですね!
除湿機が欲しくなる理由と必要性についての考察
ここからは、どうして人は除湿機が欲しくなるのか、という点について解説します。完全なる、蛇足。
部屋干しニーズの急増

リビングで部屋干しする状態って、わたしの中では究極の状態です。
これを避けるために家づくりをしたと言っても過言ではないのですが、現状、やはりリビングでも部屋干ししないといけない状況になっています。
最近は、洗濯洗剤も進化していて、「正直、除湿機なくてもやっていけるんじゃないか」と思っているところなのですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

生乾き臭とうまく付き合っていけますか?
部屋干しをする人の理由
最近は、外が晴れていても部屋干しする人が増えてきました。いかにその理由をまとめました。
- 防犯
- 夜間しか干せない
- 室内の乾燥対策
- PM2.5や黄砂がつかないように
- 花粉がつかないように
花粉症の人が増えたこともあって、たとえ晴れていても部屋干しをするひとが増えてきました。
日光干しを好む人もいますが、「色あせ」の問題もあり、お気に入りの服は絶対に部屋干し!というかたも多い。
紫外線は除菌効果もありますが、人体にも悪い強い光なので、あまり浴びたくない人も。

わたしは、一度洗濯物に巨大な蛾がついているのに気づかず部屋に持ち込んで失神しかけたことがあります。

それを私が退治したことは内緒にしておきます。

ありがとう。退治されたのは私のプライドだったようです。
つまり、部屋干しはリスク軽減のためには大事だってこと!
衣類乾燥のための除湿は最低でも5時間以内
部屋干しで嫌なのは、何と言ってもニオイですね。生乾きの洗濯物と一緒にご飯食べてると、一人暮らしの時を思い出します。
鉄筋コンクリートの5畳間に、梅雨の時期に洗濯物と一緒に過ごさないといけないつらさといったら。

そう、拷問ですね。
とにかく、衣類は速攻で乾燥させることがポイントになります。

でも、乾燥機は電気代高いしシワになるからイヤ!
なので、洗濯物を乾かす部屋で対策を取ることが大切なわけですね。
5時間以内とする根拠
日常生活における洗濯衣料の部屋干し臭とその抑制,におい・かおり環境学会誌,36巻2号,(2005)
上記論文が大変参考になりました。ありがとうございます。
一言に部屋干しのにおいといっても、原因は多岐に渡ります。
これらは「部屋干し用洗濯洗剤」を使うことで、酵素が「汚れ」と「菌」の分解に役立ち、大部分が解決できるようになりました。
洗剤用プロアテーゼは汚れにも菌にも効果があるのです。

今の科学の発展てのはすごいもんだね!
でも、部屋干し用洗濯洗剤を利用している世帯の割合ってのは1/4にも満たないというデータもあります。

やっぱりね、地域最安値で洗剤買っちゃうからね。部屋干しとかのオプションまでは手が出ないよね。
ちなみに、洗濯だけである程度の除菌はできる
あくまでも黄色ブドウ球菌に限った研究結果ですが、乾燥の際の高熱除菌など関係なく、洗濯洗浄だけで菌は検出されなくなることが示された研究があります。
これは看護研究の発表資料なので、「人体に影響の出る菌」として黄色ブドウ球菌をチョイスされたのかと思います。食中毒の代表的な菌ですからね。
また、ニオイの原因の74%が洗濯槽に由来した菌であることを発表した記事もあります。
生乾き臭の原因となる生乾菌・脂臭菌の約74%が洗濯槽からの移り菌だった
洗濯槽除菌など、根本的な対策もとっておくことをお勧めします。
参考記事でお世話になったので、アリエールのサイエンスプラスイオンパワージェルをお勧めしておきます。
サンルームや洗面室、脱衣所、浴室など狭い部屋にお勧め
これらの部屋は、狭い上に、基本的に人が常駐するところではありません。
なので、少し暑くなっても、音がうるさくても問題ないわけです。
狭くて人がいない部屋にお勧めの除湿機を紹介しています。

コメント
ハイブリッド式のメリットとデメリットは同じなのですか?
ikaさま、コメントありがとうございます。
同じではなかったですね。記事修正した際に、誤って同じ文章を打ち込んでいたようです。メリットは、機能性の高さ、各社力を入れているフラッグシップモデルである(場合が多い)こと、デザインが優れている場合があることですかね。デメリットは記載の通り、筐体が大きくなること、値段が高いこと、場合によっては機能性が増えることによって故障発生する可能性が(わずかに)上がることでしょうか。
ご指摘、ありがとうございました。コメントいただけると本当に助かります。