ルータを買った記事から、TimeMachineによるバックアップ方法、そしてこのNASの記事にまで発展するとは。

いろんな意味で高コスパな商品でした、TP-link!
NASとルータは切っても切れない重要な関係なので、ルータについても調べてみてください。

NASの正しい選び方
まずはNASの基礎知識です。
NASとは
NAS(Network Attached Storage)=ナス」という略称で呼ばれております。
ネットワーク上に自分専用の記憶媒体(主にハードディスク)を設置することができます。

現在風に言えば、自分専用のクラウドサービスを構築するイメージです。
NASは自分用のクラウドサービス
ネットワーク上にあるので、いつでもどこでも、LANケーブルで接続することなく、NASにあるデータをダウンロードしたり、バックアップを取ったりすることができます。
音楽もストリーミング再生で
例えば、音楽データはものすごくかさばりますが、NAS上にアップロードしておくことで、端末にダウンロードせずにストリーミング再生することで、端末のメモリを消費せずに音楽を楽しむ、なんて使い方ができます。
家族専用のフォトアルバムも
家族で写真をNASに保存していき、思い出のアルバムをいつでもどこでも、編集したり公開したりすることもできます。
セキュリティがめっちゃ大事
ネットワーク上に開放するということは、他の人にもみられてしまう危険性がとてつもなく高まります。
ただ、考えようによって、NASに限らず、すべてのクラウドサービスは同様の状況にあるので、何も意識せずにiCloudやGoogleフォト、DropBoxなんかのクラウドサービスを利用している場合、同じような危険性があるということは再認識した方がいいでしょう。
アカウントセキュリティ
クラウドサービスと同じように、NASで構築された記憶媒体に関しても、パスワードなどのセキュリティをかけることが必須となります。NASを選ぶ際には、第一にセキュリティについて考えることが大切です。
まずは、ファイルにアクセスできる人を制限することを考えます。いわゆる、ネットのサービスと同じで、アカウントを作成して、パスワードをかけるものですね。

家の入り口に鍵をかけるようなもんだね
ただ、アカウントとパスワードを突破された後は、家の中で盗み放題になってしまうので、もう一歩進んだセキュリティ対策が必要になります。
データを暗号化
iTunesなんかを使っていると、バックアップも暗号化する時代がきたなと感じます。
今や、バックアップデータからでも簡単にデータが抜き取れる時代になりました。
自分でバックアップデータから復旧作業を行う場合にはいいのですが、言ってしまえばPCにiTunesを残した状態で他人に使われた時点で、iPhoneもiPadもデータを盗まれる可能性もあるということです。
そういうわけで、データ自体に鍵をかけて、暗号を仕込むことで機密データを安全に取り扱うことができるようになります。

データ自体をパズルにして、暗号キーというヒントがないと解けないようにする、という感じだね!
Macユーザーにも人気が高い、QNAPのQ&Aが参考になると思います。
耐久性と簡単に交換可能かどうかも要チェック
NASは、自分専用のクラウドサービスと説明しましたが、自分でメンテナンスをするという手間も生まれます。

なるべく、壊れにくい、耐久性の高い製品を選ぶことが大切です。
また、HDDに関しては、使用頻度によって寿命があることも頭に入れておいて欲しいのです。と、いうのも、NASになると常時稼働していることが多く、書き込み回数が頻回であるために壊れるリスクも高まってしまうのです。
ある程度、壊れることは前提にして、HDDストレージを自分で交換できるタイプのものにすると、長く使用することができます。
HDDの高耐久と言えばWestern DigitalのWD Red
いわゆる赤帯になります、WD Redがかなり人気が高いです。
青帯であるWE Blueとの違いは、3点。
- ロード/アンロードサイクル
- 環境温度:動作時
- 製品保証期間
特に重要なのは、製品保証期間。青帯は2年に対して、赤帯WD Redは3年を保証しています。初期不良さえ乗り越えれば、3年は壊れないというのは、メーカーとしてはかなり強気ですね。しかも、NAS用と銘を打っている製品で、です。
NASは壊れやすい
NASは、特性上、普通のパソコンよりも壊れやすいです。製品として、ということではなく、利用環境がハードということです。
普通のパソコンだと、利用する人は一度に一人ですが、NASだと家族や職場で使うなど複数人数で使用する場合が多くなります。つまり、使用(起動)頻度がPCよりも何倍も高くなるということです。
しかも、自作PCなどよりも、筐体自体が小さく、冷却装備も弱いことが多く、どうしてもHDDが傷みやすい環境にあります。
カートリッジ式で簡単装着
NAS、ハードディスクの交換が大変そうですが、実はそうでもなかったり。
ネジで固定する必要があるものが多いですが、それすらも必要ない、ファミコンのカセット交換ばりに簡単なものばかり。それでいて、ふっかつのじゅもんは必要ないので安心です。
最近は、NASキットという、HDDは自分で買って取り付けるものがとても人気です。

自分で安いHDD買ったり、高耐久性のHDDを選ぶことができるからね!
換装難易度がさがったおかげですね。
コストはとにかく高い
NASは構築も大変なのですが、それより何より、製品がものすごく高いです。3万円くらいします。普通のHDDなら1万円を切る時代に、ですよ。その代わり、得られるものは大きいので、色々比較して、必要かどうか検討してみるのがいいと思います。
iCloudを有料化せずにNASバックアップで乗り切る
例えば、すでに有料のクラウドサービスを利用されている方であれば、毎月のクラウドサービス料金に12ヶ月×3年で計算してみると、NASの適正な値段の指標になってくると思います。
我が家はiCloud 200GB(400円/月)で契約しているので、14,400円、クラウドサービスに費やしていることになります。
iCloudの月額料金
- 50 GB:¥130
- 200 GB:¥400
- 2 TB:¥1300
有料クラウドサービスの場合はメンテナンスが不要なのですが、容量が少ない場合が多いです。すでに、TB(テラバイト)単位で契約されている方であれば、自分でNASを構築して、専用のデータサーバーを作った方が安く上がることがあります。
逆に、簡易で、容量も少なく、即時的なバックアップが必要でない場合には、不要です。
NASを購入すべき理由
これまでの内容を一度まとめます。
NASのメリット
- 容量が自分でカスタマイズできる
- 月額クラウドサービスが不要になる
- セキュリティレベルをあげればアカウント認証しかないクラウドサービスより安心
- なんかパソコンに詳しい人みたいにみえる
- 撮り溜めた動画をどこでもみることができる
NASのデメリット
- 高い
- 壊れやすい
- 管理が手間
- 設定が面倒、本当に面倒
- 家族がシステムを理解しないで結局使わない
お勧めしたいNAS
自宅ホームネットワークにクラウドサービスを組み込みたいあなたにお勧めしたいNASたちをご紹介します。
Synology DiskStation
クラウドサービス化という意味では最適
Synologyのいいところは、普通にパソコンやスマホで使っているような、アプリをダウンロードして機能を付け足していくことができるところですね。

SynologyでNASを使い倒す方法
Photo Stationなどで画像を管理したり、他のクラウドとの連携を行うCloud Syncのようなアプリをインストールして使うことができます。
そして、iPhoneなどスマホにもアプリをダウンロードすることで、簡単にNASとリンクさせることができます。ファイル閲覧も簡単です。
QNAP TS-231P
画像を見ていただければわかる通り、前面にHDD取り出し口があります。交換はかなり簡単です。
できることはQNAPもだいたい似たようなものですが、コスパと基本的なスペックの高さがQNAPのいいところかな、と思います。
使いやすさで言えばSynologyの方が直感的に使えるかと思いますが、何れにせよパソコンやネット関連に精通していないと、設定は面倒です。
I-O DATA HDL2-AA
もう一社はBUFFALOにでもしておこうかと思ったのですが、BUFFALO製品は当たり外れが大きく、換装されているHDDもシーズンによって異なったりするので、今回はI-O DATAから。
無難です。基本的な性能に文句はないですし、I-O DATAらしい無骨なデザインです。
何より、日本の会社です。ちょっと海外勢に持っていかれた感じはありますが、サポートが日本語なのは安心感強めです。
ただ、NAS製品らしく、使い方の説明がいかにもPCユーザー向けといった感じなので、慣れないうちは使いづらさを感じるかもしれません。
ルータにHDDを繋いで簡易NAS構築も
また、私の場合ですが、基本的にはバックアップは必要なのですが、写真を撮りだめるくらいの利用方法であれば、簡易のNASでも十分役割を果たしてくれるので、情報共有します。
最近のWi-Fiでは、USB接続できるものが増えています。USB接続できるものは、大体の製品で「簡易NAS」として利用できる可能性があります。
簡易NASで初期費用を抑える
何がメリットかというと、すでに手持ちの外付けHDDを利用できるので初期費用が格段に抑えられること。

私は簡易NASで乗り切ることにしましたが、バックアップ利用程度であれば簡易で十分です。
余ったHDDを使いまわせる
壊れやすい外付けHDDを簡単に交換できることは大きなメリットですね。もちろん、上述されたNASたちも簡単に交換できる上にHDDが安く手に入るので、簡易NASの方が絶対にいい! と言えるようなメリットではないのですが。
テレビ用にと、安売りで買ったHDDがホコリを被り始めているようであれば、NASとして再利用することもできます。
外付けHDDの難点は、製品の当たり外れが大きい(初期不良多い)ことですかね。
設定は少し面倒
難点として、設定がかなり面倒なこと。
私はTP-LinkのArcher A9という製品を使ったのですが、設定に2日ほどかかりました。というよりも、後述するエラーに引っかかってなかなかうまくいかなかっただけなのですが。
簡易NASだと、ルータの設定と、HDDとの接続などやることが少し多くなるような感じです。基本的にはつなぐだけでいいのですが、使い倒すためにはFTP関連の知識を身につけなければならず、けっこう迷走しました。
バックアップ時のエラーが多い
バックアップやネットワークエラーが起きやすいこと。
これはルータの性能のような気もするのですが、Time Machineのバックアップがうまく作られず途中でフリーズしてエラーが発生したりしました。
どうやら共有アカウントの認証関連のエラーだったようですが、それが「どこの」アカウントに依存してるものなのか、ルータなのかHDDなのかMacなのかよくわからなくなって全部叩き壊したくなったよまじで。
性能がWi-Fiルータに依存
製品の性能が、Wi-Fiルータと、外付けHDDの二つに依存してしまうこと(どちらかが低機能だと性能が活かせないことも)
書き込み速度なんか、片方がUSB2.0までの対応だと機能が活かせなかったり。
お勧めの簡易NASできるルータ
基本的には、購入したTP-Link社のArcher A9を推薦したい、ところなのですが。2018年12月にはArcher A2600という製品が出る予定なので、そちらをお勧めしたい。
記事の中にまとめてあるので、興味があればぜひぜひ。

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