2021年のiPad miniがガジェット界隈では使い勝手がいいと高評価を得ています。

コロナウイルスの影響もあって、マスク着用時のiPhoneのFace IDに嫌気がさしてきたこと、家から出ないし電話も来ないということで、本格的にiPad miniをiPhoneの代用にしようかと考えてみました。
最新のiPad miniはどこまで進化した?

まずは、iPhoneの代替として一番考えやすい「iPad mini」が、iPhoneの代わりとなる性能を持っているかを簡単に解説していきます。
最新のiPad miniの特徴

- A15 Bionicチップで最新のiPhone 13と同等の性能
- 5Gの利用もできる
- iPhoneにはできない、Apple PencilとSmartKeyboardの利用
- トップボタンにTouch ID
- USB-Cポートで他のアクセサリともつながる
iPhoneとiPadの違い

iPhoneとiPadは、根本的にはOSが違います。利用できるアプリにも違いがあります。使い勝手の面では、大きな違いとは言えませんが、目的に適った使い方となるとしっかりと選んで決めていく必要があります。
デバイスとしての性能の違い
まず、機種の性能をざっくりと比較した表を用意しました。
機種名 | iPhone 13 | iPad mini(第6世代) |
カラー(仕上げ) | ピンク、ブルー、ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT)RED | スターライト、パープル、ピンク、スペースグレイ |
容量 | 128GB、256GB、512GB | 64GB、256GB |
価格(Apple Store) | ¥98,800~ | ¥59,800~ |
サイズ | 146.7 x 71.5 x 7.4 | 203.2 x 134.8 x 6.1 |
重量 | 162 g | 293.5 g(Wi-Fiモデル)、297 g(Wi-Fi + Cellularモデル) |
ディスプレイ | 6.1インチ(Super Retina HD) | 8.3インチ(Liquid Retina) |
チップ | A15 Bionic | A15 Bionic |
生体認証 | Face ID | Touch ID |
アクセサリ対応 | – | SmartKeyboard、ApplePencil |
カメラ | デュアル12MPカメラシステム | 12MP広角カメラ |
使いやすいサイズはどっち?
サイズ感で言えば、iPad miniは画面が大きいのにiPhoneより薄くなっています。画面サイズが大きいことはメリットになりますし、大きめのPro Maxが6.7インチであるのに対して、iPad miniが8.3インチになるので、使いやすいサイズ感であるとも言えます。
コスパがいいのはどっち?
価格面ではiPad miniの方がかなりお買い得な感じがします。データ容量の違いもありますが、よりお手軽に手に取れるのはiPad miniだと言えます。
高性能なのはどっち?
デバイスのハード面の性能差で言えば、iPhoneの方が圧倒的にカメラの性能が高くなります。これは結構大事な点で、後半で詳細に解説しますが、この点は埋めようのない差だと言えます。
iPadOSとiOSの違い
iPad OSとiOSという違いもあります。
パソコンのように使うならiPad OS
仕様の面でも、パソコンのような使い方もする場合にはiPad OSの方が使いやすい上に、ApplePencilやSmatKeyboardなどのアクセサリとの利用も検討しやすいです。
iPad OSの利点で言えば、「複数のアプリ」を同時に起動して利用することを想定しやすいのがメリットだと言えます。カレンダーを使いながらタスクをリマインダーにまとめなおしたり、Web記事を読みながらWord(Pages)などの文書ファイルを作成することもできます。
iOSでも、作業の連携に関してはHand Offなどの機能が代替的に利用できますが、やはりひとつの画面で作業を完結させる簡易さはiPadの方が利用しやすいと思います。
子供に持たせるなら、持ち運びのしやすさよりも、勉強へのアクセスのしやすさが重要視されるので、子供用に用意するならiPad のほうがいいかもしれません。

対応アプリの違い
OSの違いで言えば、AppStoreのラインナップが若干変わります。アプリの対応で考えると、iOS(iPhone)の対応が主要なところであり、一部機能をiPadにも開放している、くらいの使い勝手のアプリもあります。
逆に、学習系コンテンツになるとiPadでの閲覧で最適化されている場合もあります。プログラミングやお絵かきなどはキーボードやApple Pencilとの併用を考えているので、これらの使い方を考えている場合には、iPadの方が使いやすいと思います。
iPhoneよりもiPadが便利な機能

機能面や使い勝手における、iPadのおすすめな点をまとめていきます。
ホームの横画面
iPhoneだとホーム画面は縦向きから変更することはできません(2021年10月現在)。
手に持って使用する場合はそれほど不便ではないのですが、たとえばNetflixなどを視聴しながら他のアプリを利用したくなった時に、iPhoneを横に寝かせたまま操作したいのにホーム画面に戻ると縦になるのでこれが少し面倒に感じることがあります。
普通はiPhoneを操作するときは手に持つので、それさえ面倒くさがらなければいいのですが、パソコン作業などをしながらiPhoneで少し確認する、なんて時にはiPhoneを持つことすら面倒に感じたりします。
ウィジェットの常時表示


ホーム画面の横向きにつながることですが、iPadだとホーム画面にウィジェットを配置することができます。
ちなみに、iOSもホーム画面にウィジェットが置けるようになっているので、使い勝手の差は「見やすさ」くらいになっています。

ウィジェットは、アプリアイコンくらいの大きさでさっと情報が見ることができるので、やっぱり画面が大きい方が使いやすいですね。

iPhoneのウィジェットだと、ホーム画面がほとんど埋まってしまうね。
リマインダーやカレンダーをウィジェットとして配置しておくと、やらなきゃいけないことがすぐに把握できるのはいいですね。
iPadでiPhoneのように使える機能
本当に、iPadでiPhoneの代用が務まるのか、気になる部分を調べてみました。
音声通話はできる?
まず、音声通話自体はiPadでも利用できます。ただし、携帯電話会社の通話サービスは利用できません。あくまでもモバイル通信サービスの中での音声通話になります。
ややこしいことを書きましたが、簡単に言えば、「通話」アプリで、携帯会社の回線で、携帯会社に通話料金を支払う電話はできないということです。
逆に言えば、モバイル通信での音声通話は利用できます。昨今はどうしても電話番号が必要、という場面は減ってきましたが、電話番号を利用した音声通話を全くしないで生きていけるほどは便利になっていないのがモバイル通信での通話機能。
音声通話の代用ができるツール・アプリ
あえて紹介することもないとは思いますが。
LINE
LINEは少し厄介な点があって、LINEアカウントの登録時に電話番号が必要になります。音声通話のサービスを利用したいだけなのに、そのために電話番号が必要では本末転倒な感じはしますが、とにかくLINEアカウントには電話番号が必要です。
音声通話は、LINEのアカウントに対して電話をかけることが可能です。ちなみに、音声だけではなく、ビデオ通話も可能。画面シェアなどの機能もあります。
FaceTime

FaceTimeは、AppleIDのアカウントに対して通話をする機能で、こちらも音声・ビデオどちらも対応しています。相手がiPhone やiPadを利用している場合には一番相性のいい通話アプリです。
世界的には、Facebookが運営する「WhatsApp」というアプリも音声通話として利用できます。LINEは国内シェアで圧倒していますが、世界的なシェアで見ればWhatsAppの方が圧倒的。
私自身は海外に通話する機会はゼロですし、そもそも通話アプリとしてLINEすら利用していないのでWhatsAppをインストールすることすらないとは思いますが、LINEが何かのタイミングで使えなくなった場合に代替となる可能性が高いです。
iPadが苦手で、iPhoneならできること

いくらiPad miniが小型化しても、持ち歩くために設計されたiPhoneと、基本的にはタブレットであるiPad miniではできることとできないことが明確に違います。
持ち運びにおける機能性
持ち運ぶことを考えると、「サイズ感」だけが注目されがちですが、外に持ち出すということはコンクリートの上に落とす可能性が増え、急な雨にデバイスを濡らしてしまう可能性が増えるということです。
iPhoneの方が日常的に身につけて使用するものなので、防水性能などは一般的な電子機器よりも高レベルの防水・防塵性能を持っています。
一方で、iPadには防水・防塵性能はありません。この点だけでも、日常使用を考えた場合には、iPadよりはiPhoneの方が都合がいいという気はしています。
Apple Watchとのペアリング
2021年10月現在では、AppleWatchとiPadではペアリングできません。もちろん、iCloudなどを経由してデータの共有などはできますが、Apple Watchの性能を引き出すパートナーはiPhoneです。
一方で、スマートホームのためのホームハブとして設定できるのは、iPhoneではなくiPadです。家に置いておくか、身につけて使うかは、Appleは明確にデザインしていて、お互いが干渉しすぎないようにしているのかもしれません。
カメラ性能は「並」
ハード面の決定的な性能差があるのは「カメラ」の性能だと思います。
iPhoneのハイスペック機は「望遠・広角・超広告」の3種類のカメラを搭載しています。ベーシックなモデルでも最新モデルとなれば「広角・超広角」のデュアルカメラシステムを搭載しています。
一方のiPadは、Proモデルでデュアルカメラがつきますが、iPad miniでは広角カメラのみの搭載。
別に、iPadではカメラ機能はあまり使わないけどな、というのは少し違っていて、昨今のデジタルデバイスにカメラを搭載するのは、「写真を楽しむ」という目的よりも「センサーとしての役割」も大きくなっています。
人間の互換でいえば、カメラは「視覚」の役割を持ちます。視覚は、一番直感的でわかりやすいデータ容量の大きな情報になります。
わかりやすいところで言えば、iPadを仕事に使うことを考えている方は多いと思いますが、例えば、紙の資料をもらったときに真っ先にやるべきことはiPadで扱えるようにデータ化すること。
カメラがあれば、紙の資料も速攻でスキャンして、PDFにできるばかりか、テキストを抽出するOCR機能も利用できます。(ただし、日本語は未対応かも)
今後、さらに活躍が期待されるのは「拡張/仮想現実(AR、VR)」としての活用です。先ほども書きましたが、デバイスにとってカメラは目の役割を持ちます。複数のカメラを搭載するのは、それぞれ得意な画像データの表現があって、これらを組み合わせて人間の目のように知覚することを可能としています。
簡単に言えば、単眼のカメラだと、どうしても平面の画像になってしまいますが、AR/VRとして活用する場合には、さらに明暗/濃淡の変化や奥行きなどを読み取っていくことが求められます。
あんまり使わないかもしれませんが、今はiPhoneなども標準で「計測アプリ」が搭載されていて、カメラでかざせばすぐにものの長さを測ることができます。
将来、どれくらいのレベルのARアプリが登場するかはわかりませんが、その性能を発揮するためには現実世界の情報を視る力がデバイスにも必要になります。
例えば、動画配信などをしたいと考えている場合に、近所の空き地で仮想キャラクターとレイドボスを戦わせる実況生配信みたいなことが可能になってくるというわけです。たぶん、iPadでもできるとは思いますが、さらに奥行き、臨場感で、自分も動きながらボスの後ろに回り込んで攻撃する、なんて映像まで撮るためには現実をより鮮明に把握するためのカメラ性能が必要になります。
話が飛躍しましたが、デバイスに搭載されるカメラは、写真を撮るためだけじゃない、ということだけ考えていただければいいのかな、と思います。
結論、結局iPad miniはiPhoneの代わりになるの?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
iPad でも十分にやっていけると思うところ
- iPadの方がコスパがいい
- iPad miniなら持ち運びやすいサイズ感
- 音声通話は代わりになるコミュニケーションツールが豊富にある
iPad miniではiPhoneの代わりにはならないと思うところ
- 持ち運んで使うには壊れやすい
- Apple Watchとペアリングできない
- カメラ性能は劣る
セルラーモデルなら使い勝手に変わりはなさそうなレベルで使えそうだけど、やっぱり持ち運びのことを考えるとiPhoneの方が適性は高いな、というのが正直なところ。
ただ、デメリット部分も含めて、「そもそも、外で出歩いてまでスマホをいじることもないな」という方は、すでにiPadで代用できる環境が整ってきているのかもしれません。
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