Blueairは空気清浄機メーカーとして信頼できる清浄力があり、空気清浄機のおすすめを書くたびに比較用に一応名前を出すのですが、価格帯で門前払いされるので「おすすめしたいけど、空気清浄機の購入を悩んでネット検索されている方の需要には合わない」という葛藤があります。

慎重に買い物をしたい方からすると、「すごくいい商品なんですけど、10万円なんですよね」と言われたら、少し馬鹿にされたような気持ちになりますよね。10万円をポンと支払えるなら、空気清浄機選びに頭を使わないわ、と。

普通の空気清浄機は1万円から、いいものでも5万円くらいですしね。
昨今は、日本のメーカーも10万円クラスの空気清浄機を出していますが、そっち方向で頑張らずに、もっと現実的な価格で、普通に空気をきれいにしたい。
感染予防の観点からも空気清浄機の需要が伸びていると聞きますが、オゾン発生機能などを付与するモデルも登場し、空気清浄機業界が方向性を見失って混沌とする中で、Blueairが割とシンプルに良さそうなモデルをリリースしたので、ご紹介させていただこうかと思います。
Blueair DustMagnetの特徴
まずは、当たり障りのないカタログスペックについて解説していきます。
全部読むのが面倒だと思うので、概要だけまとめると以下の3行。
デザインに関すること
まずは、デザイン面でのお話。
Blueairらしく、北欧風のおしゃれデザインなのですが、いろんな空気清浄機を紹介しているうちに「北欧らしさ」がだんだんわからなくなってきました。
吸引口は上下2箇所
ブルーエア初の「あし」付きのモデル。

これは、床上30cmに漂いやすいホコリを効率よく除去するためにできたデザイン。機能面を強化した「あし」なのですが、結果としてなんとなくオシャレな感じもあってBlueairのデザイン性を損なうことなく、北欧感を演出してくれています。
なんとなく、この足つき空気清浄機を見ると、ウォーターサーバーのプレミアムウォーター「amadana」と思い出すのですが、普通の家電にニョキっと足を出すと、少し洗練された感じが出てきますね。
ちなみに、足にも目が行きますが、頭部分とも言える天面はテーブルになっており、耐過重10kgのものまでなら置くことができます。サイドテーブルとしても十分な強度。

家電なのでコップなどの水物は厳禁ですが、なんとなく英字新聞でも投げ置いておけばそれっぽい雰囲気が出せるのではないでしょうか。
秀逸なデザイン賞を受賞
国際的に権威のあるデザイン賞「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン 2021」と「iF DESIGN AWARD 2021 プロダクトデザイン部門」、そして日本では「GOOD DESIGN賞」を受賞しました。
GOOD DESIGN賞は以下の理念に沿ったプロダクトに授けられる賞です。
人間(HUMANITY) | もの・ことづくりを導く創発力 |
本質(HONESTY) | 現代社会に対する洞察力 |
創造(INNOVATION) | 未来を切り開く構想力 |
魅力(ESTHETICS) | 豊かな生活文化を想起させる想像力 |
倫理(ETHICS) | 社会・環境をかたちづくる思考力 |
「かっこいい」というだけではなく、そこに未来への希望があったり、人間らしさがあったり、より良い暮らしに繋がるのがグッドデザイン賞。

デザインには理由があって、そこに使う人の生活が見えてくる必要があるよね。
ちなみに、「iF DESIGN AWARD」も「Red Dotデザイン賞」も世界的に権威のあるデザイン賞です。
機能に関すること
次に、機能に関することを説明します。簡単に言えば、「世界最高峰の空気清浄力があるよ」というだけの話なのですが。ちゃんと知っておきたい方は読んでみてください。
HEPASilentテクノロジー

0.1μm以上の微粒子を99.97%*1除去できるブルーエア独自の 「HEPASilent®(ヘパサイレント)テクノロジー」搭載。粒子イオン化技術と高性能フィルター技術を融合した、ブルーエア独自の空気清浄技術です。
https://store.blueair.jp/category/DUSTMAGNET/?_ga=2.104378883.245346797.1647583083-1403669934.1647583083
難しい単語を並べられると、はぐらかされたような気持ちになるのですが、ざっくりといえばこういうこと。
- とにかく強いファンで、漂う微粒子を吸い寄せる
- 本体に近づいた微粒子は、マイナスに帯電させる
- マイナス帯電した微粒子は、プラス帯電したフィルターにくっつきやすくなる
- ダブルの引き寄せる力でゴミは逃さずキャッチする
この辺りのテクノロジーは、日本だとDAIKINあたりが取り入れています。
日本のメーカーは、ごちゃごちゃといろんな機能をつけるので、「結局何が凄いのか」が分かりづらいのですが、割とちゃんとすごいのも日本メーカーらしいですね。

全部すごくて、全部売りたいから全部説明して、全部わからなくするのが日本メーカーのセールスで、なんかよくわかんなけどたくさんすごいから買おう、というのが日本の消費者ですね。
DustMagneテクノロジー
これはダストマグネット独自の機能面になります。
まず、デザインの面でもお話しした「上下ふたつの吸込口」は、特に床下30cmのハウスダストに有効です。これは、特にこの空気を吸うことになる小さな子供がいる家庭ではより効果的だと言えます。
また、「側面2カ所の供給口から渦状の気流を生み出」すため、空気中のホコリを捕まえやすくしているとのこと。つまり、上下で空気を吸い込み、側面から空気を吐き出す形になっています。

なんとなく、上に吐出(供給)口がついていないと、気流が干渉しあって空気吸えなさそうな感じがするんですけど、うまいことなっているんですね。
花粉対策にちょうどいい上部吸気口

実際には、我々が気にする「花粉」だと、窓や誰かの衣服からやってくることが多いんですけど、上部が排出口の場合、部屋中に拡散させる気流になってしまうんですよね。
だから上部に吸気口を配置したモデルは、花粉が気になる家庭にもちょうどいいんじゃないかな、と思います。
ウイルス対策にも「巻き上げない気流」がおすすめ
これ、最近はウイルス感染対策のことも考えたいところ。

人と人との間に空気清浄機がある場合を想定すると、上向気流だと飛沫が巻き上がって空気清浄機が飛沫を吸い込むまでの時間が伸びてしまう場合があります。
DustMagnetの形状だと、このリスクも減らせるのがいいですね。
Smart Control
スマートコントロールは、簡単に言えば「スマホで操作できますよ」という機能。
これ自体は昨今では珍しくもなんともないんですけど、大事なのは「本体に余計なボタンを減らせる」ということ。

空気清浄機は、使用者のライフスタイルに合わせて、大体の稼働時間は固定されて、一度使い方が決まれば、あとは電源くらいしか触るボタンはないんですよね。

タイマーボタンや風量調整ボタン、それに汚れセンサーや設定系のボタンを搭載すると、どうしても本体に野暮ったいボタンがたくさんつくことになってしまいます。

Blueair DustMagnetは、本体には操作ボタンが2つしかついていません。余計なLEDの光などもなく、汚れ具合を教えてくれる機能的なLEDライトが本体正面についているくらい。
ほとんどの操作はスマホにインストールしたBlueairアプリから行うことができます。
室内・室外の空気環境をモニタリングしたり、LEDライトの調整や運転スケジュールなどの操作もアプリから簡単に行うことができるようになっています。
どうして一般家庭のリビングにDustMagnetが合うのか
さて、ここまではカタログスペックを見れば分かることですが、どうして一般的な家庭に合うモデルと言えるのでしょうか。
適用床面積・畳数が過剰じゃない
空気清浄機の適用畳数は、実際の畳数とは異なり、実際に使う場合には使用する部屋の畳数より数倍大きいものを選んだほうがいいとされています。
日本の家電メーカーが指標としている「適用床面積・適用畳数」は、「5本のタバコを吸ったときに相当する空気の汚れを、30分できれいにできる広さ」を表します。
決められた空気の汚れに対して、それをきれいにできるかどうかだけを数値化して適用畳数を決めています。
しかし、日本の住環境はさまざまで、木造建てもあればRC造りもあり、天井の高さも違います。空気環境も各家庭によって全く異なります。
適用床面積とCADRはどちらが信用できる?
少しややこしいですが、適用床面積は「決められた汚れ」「決められた時間」に対して、どれくらい部屋を広く取れるかで数字を大きく見せることができます。しかし、汚れの量も質も決まっていないのが住環境。
実際に人が暮らしている場合に大切なことは、「汚れている空気」に対して、人体に影響が出ないために「いかに早く部屋をきれいにするか」というのも重要だったりします。

広い部屋で使うことよりも、とにかく早く空気をきれいにする方が、実用性としては参考になる指標となります。だって、汚れた空気を吸わないことが空気清浄機を利用する目的ですから。

部屋の汚染は、定量的(汚れ量が決まっている)わけではなくて、可変的(人が生活すれば空気は汚れる)であることを考えて、汚れた時に適切に処理できるかを考えたいですね。
Blueairが指標として採用しているCADRとは、Clean Air Delivery Rateの略で、「1分間あたりに供給する清浄な空気の量を表す」クリーンエア供給率のこと。
これは、簡単にいうと、「タバコやホコリ、花粉などの有害微粒子に対して、どれくらいのスピードで部屋をきれいにすることができるか」という指標になります。
タバコの煙だけをきれいにできれば数字を大きく見せることができる日本の適用床面積に対して、3つの項目それぞれに対して、どれくらい早く空気をきれいにできるかで測定されています。
適用畳数は当てにならない
話を戻すと、今の日本のリビング環境だと、家電メーカーが発表している「適用畳数」はあまり当てにならず、なんとなくの指標として「実際に使う部屋の2〜3倍の部屋がいいですよ」というネット情報を当てにして大きさを決める必要があります。
お使いになる部屋の大きさ | 適用床面積の目安 | 空気がキレイになる時間 |
---|---|---|
子ども部屋や書斎におすすめ (6畳~8畳) | ~16畳 | 約13~17分 |
寝室などにおすすめ (8畳~10畳) | ~21畳 | 約13~16分 |
リビングにおすすめ (10畳~12畳) | ~24畳 | 約14~17分 |
広々としたリビングにおすすめ (12畳~14畳) | ~31畳 | 約14~16分 |
これだと、どうしてもミスマッチが起きて「念の為に大きめのものにしておこう」と買ってみたら空気清浄機のサイズが大きすぎて部屋に合わなかったり、安いからと小さめのものにすると空気がきれいになるには不十分のスペックだったりします。
DustMagnetの適用床面積
Blueairの場合は、CADR値から算出された推奨フロア数であり、日本のメーカーと異なるので少しわかりづらいところがあります。何だったら日本のメーカーより空気清浄力が弱く計算されている可能性もありますが、数字通りの適用と考えていいと思います。
ただ、それでも少しでも空気は早くきれいになった方が、汚染した空気を吸い込む可能性は減るので、部屋のサイズ感に合わせてBlueairの大きさを決めるくらいで失敗はしないと思います。
今回のBlueair DustMagnetであれば、2種類のサイズしか出ていないので、「リビング用」と「省スペース用」で使い分けがわかりやすいと思います。
リビング用のDustMagnet
個室・寝室・省スペース用のDustMagnet
Protectより実用的でコスパ良し
当サイトでもフラッグシップモデルであるProtectを紹介しましたが、自分でもまとめながら「どう考えてもスペック過剰」だと思い、購入を躊躇しました。

自分が躊躇するものを人に紹介するのも申し訳なく思い、おすすめとは言えないままBlueair商品のベストマッチとなるものを探していたのですが、DustMagnetは日本のリビング事情にちょうどいいスペックだと思います。
Protectの半額で、デザイン・機能を犠牲にしない

価格は変動するのでいくらとは言えないのですが、プロテクトに比べると半分くらいの価格で購入することができます。それでいて、Blueairの空気清浄力はしっかりと確保しているので、空気はしっかりときれいにできて、機能は犠牲にせずに価格を抑えることができます。
しかも、デザインを犠牲にしていないというのはいいですよね。
どうしても廉価モデルだとプラスチック感の強いおもちゃの家電のような仕上がりになって「リビングに置くのはちょっとな」と思うところがあるのですが、DustMagnetに関してはこれはこれで洗練されたデザインで、リビングにもちょうどいいと思います。
また、デザインの面で言えば、サイズ感も日本のリビングにあっていると思います。
それほど広くない日本の住環境だと、サイドテーブルとしても使えるDustMagnetのデザインは、ソファの横に置いておいてそのまま馴染んでくれます。
空気清浄機は、上部に供給口(空気が噴き出すところ)があって周囲に荷物を置けないことが多いです。思っている以上にスペースを取る家電だったりします。
しかし、Dust Magnetならサイドテーブルとして家具調に馴染めば視線を遮りすぎることなく、どでんと構えすぎる他の空気清浄機よりもリビングスペースにちょうどいいと思います。
無駄な機能がなく、清浄力は維持
価格が抑えられているということは、フラッグシップに比べれば機能が物足りないと感じる部分はあると思います。
ただ、Blueairの場合は、「小さいゴミも逃さない」というフィルター性能、空気循環効率を高めたファンの性能が優秀なのであって、ごちゃごちゃとした機能をそもそも必要としていないということがあります。
操作はスマホで簡単にできるので、ボタンの数が少なくても困ることはないですしね。
ちなみに、交換用フィルターがBlueairにしては安いな、と思ったら、交換用フィルターが2回分ついてくるセット販売なわけではなく、上下に交換用フィルターをつけるので1回交換で8,800円となっています。やはりここは高いですね。
Blueairを購入する前に検討したい・比較対象
Blueair DustMagnetを購入することを悩まれている方に、これと比較するといいよという情報をまとめておきます。
Blueairの商品ならBlue 3000と比較

Blue 3000はBlueairのシンプルな空気清浄機。プレフィルターは5色のカラーバリエーションがあり、どんな部屋でも合わせやすい洗練されたデザインとなっています。
サイズは3展開。
- Blue 3210:個室
- Blue 3410:リビング、大きめの部屋
- Blue 3610:店舗、オフィスの大空間
価格も(Blueair)にしてはお手頃なので、リビングにはちょっとおしゃれでしっかり清浄したい、という場合や、お店などで人の目に触れてもいい空気清浄機を、と考えている方におすすめです。
Blueairの「空気を世界一きれいにする」テクノロジーである「HEPASilent®テクノロジー」は搭載されているので、使用した空間の空気の質に関しては一級品。質を諦めずに価格も抑えたいk谷は本当におすすめです。
機能性で言えばDustMagnetの方がいいと言えばいいのですが、デザインの好みや価格で決めてもいいくらいの差でしかないとは思います。
操作性でいえば、拡張機能としてスマホも使いたいと考えている場合にはDustMagnetを選ぶ必要があります。店舗にも対応する大型機をお求めならブルー3610が良さそう。
機能面で選ぶならDAIKIN
Blueair以外ならまずは日本のメーカーを見ていきます。
DAIKINについてはこちらの記事でまとめていますが、記事自体は古いので、ここでも簡単に紹介します。
DAIKINの特徴

- 加湿機能あり
- ツインストリーマで中も外も除菌効果
- TAFUフィルターは汚れにくく長持ちする
簡単にいえば、DAIKINは他社がイオン(OHラジカル)の力で空気を清浄しようとするものを、汚れやすいフィルターなどの除菌にも利用しています。
さらに、もともと静電気の力で汚れを吸着しやすい(汚染しやすい)フィルターを改善して「汚れは吸うけど、長持ちする」無敵のフィルターを作っています。

すごく良く言えば、フィルター交換しないでBlueairくらい空気がきれいになるよ、というものですが、さすがにフィルターが目詰まりしないということもないので、個人的には「フィルター交換は必要だよ」と書いているBlueairの方が説明は親切だと思います。
デザインならプラスマイナスゼロ
これまでは、Blueairとの比較には、おしゃれ家電のバルミューダなんかをおすすめしていたのですが、バルミューダは2019年の商品ですし、さすがに紹介し飽きたところもあるので、±0を紹介します。
C030の特徴
- 360°吸引
- 66本のパイプでフィルタを隠さないデザイン
- 設置面よりフィルタを浮かせて空気循環しやすい形状に

デザインの好みはあると思いますが、日本の場合だと和室にも合いそうな雰囲気がありますね。
価格をもっと抑えるなら
少しだけ宣伝しておくと、私のサイトには「空気清浄機を紹介してくれ」という依頼がそこそこ来ます。全部の対応はしませんが、良さそうだなと思ったところはレビューなんかを書かせてもらっています。

高級家電メーカーからの依頼はありませんが、皆さんが気になるところの「知らないブランドで、ものすごく安いけど大丈夫?」みたいな疑問には答えられる記事になっています。
Blueairを見て「やっぱり少し高いな」と感じたら、ぜひ、一緒に検討してみてください。
Afloia
Afloia KILOが低価格帯の空気清浄機でお勧めできる理由という記事を書いています。ここは本当に安い。安くて心配になると思うので、どれくらい使えるかの参考になると思います。

AiRROBO
AiRROBOのAR400は2022年4月8日より本格的に日本で販売を開始した新商品になります。

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