蒸気レス炊飯器、個人的には大変魅力的なのですが、私がいいと思うのは「蒸気で家を傷めない」ということ。ただ、炊飯器を買う時には普通は「湿気による家へのダメージ」までは想定しない。とはいえ、新築の家くらい守りたい。
このページでは、家づくりの視点から「新築にふさわしい炊飯器ってどんなもの?」というあたりの情報をまとめていこうと思います。
まずは蒸気レスについて知っていく
炊飯器、実は結構前から「蒸気を減らす」方向性にシフトしているモデルが増えています。全部が全部ではありませんが、各メーカーがそれぞれ蒸気の少ないモデルを、しかも高価格帯モデルでもたくさん取り入れていることを考えると、やはり「蒸気は減らした方がユーザーのためになる」というのは共通見解のようです。

みんながみんな、蒸気レス炊飯器である必要はないけど、蒸気のデメリットは大きいと消費者ニーズがあることは見過ごせないですよね。

実際、私も自分の家の湿気が多くて早々にカビが繁殖した時には「これはちょっとどうにかしないと家が倒壊しちゃうんじゃないか」と思ったよね。
では、蒸気レス炊飯器のメリットなどを解説していこうと思います。
蒸気レス炊飯器のメリット
蒸気レス炊飯器のメリットは、簡単にいえば「置く場所を選ばない」ことと、「熱気が出ない」ことです。この点から、「子供がいても安心」であったり、屋内に余計な湿度を溜め込まずに、結露の予防などにつながることが考えられます。
空間が必要な炊飯器の難点
蒸気レス炊飯器のメリットは、比較的置く場所を選ばないことです。
一般的な炊飯器は多量の蒸気が排出されますが、この蒸気は家具や建具、部屋の壁紙などを劣化させます。壁紙が剥がれたり、カビが生えていたり。近くに置いた木製家具が腐ったり脆くなったりといいことはありません。

本来は上記の排出を考えて炊飯器の置く場所を決める必要があるのですが、私のようなルーズな人間だと、買ってどこかしらには置けるという安心感はありますね。
狭いキッチンでも役立つ
キッチンは機能性の高い部屋になるので、最低限のスペースは確保されます。ただ、ダイニングやリビングなどが近接するとき、これらの部屋の収納が十分にない時、キッチンの収納が犠牲になることは多々あります。

キッチン通路に物置が増設されたり、床下収納が得体の知れないもので埋め尽くされたり。
こうなってくると、キッチンのスペースは奪い合いになってきて、炊飯器の置く場所も追いやられていきます。炊飯器は置ける場所が限られているのですが、狭い空間に物が積み上げられていくと、炊飯器の蒸気で周囲のモノが劣化していくことがよくあります。
全然関係ないけど、私の実家がまさに惨状だったのだけど、冷蔵庫に学校の大事な書類などを置きがちで、大体しわくちゃになったりしていたよね。炊飯器が悪いわけではないのだけど、炊飯器の蒸気が学校が抱く私の印象を「シワシワプリント」に染め上げたよね。
蒸気排出ユニットが不要になる
私は家づくりの時に「蒸気排出ユニット」をつけるかどうかで1週間くらい悩んだのですが、結果から言えば蒸気排出ユニットは付けませんでした。あれだけじゃ家の湿度対策としては不十分だし、炊飯器で蒸気をセーブすることもできると考えたからです。

ただ、結果から言えば、美味しいご飯を炊くために高級炊飯器を買って白米の旨さと家の湿度をトレードオフしましたけどね。壁紙がカビに染められるとは思いもしなかったから、代償は大きいと言える。

火傷の危険性は看過できない
蒸気噴出口はすごい熱を持ちます。子供がいる場合、どれだけ注意しても湯気が面白くて触ろうとします。なんだったら、注意されるのが面白くてエスカレートした挙句に、噴出口にご飯を突っ込んで爆破事故(未遂)とかやらかします。何なの?
蒸気レスのデメリット
蒸気レスであることのデメリットは実はないんです。蒸気レスであるが故に上がったハードルを超えられない私のメンタルこそがデメリットなんです。
掃除のしやすさは要チェック
蒸気レスでも蒸気レスじゃなくても注意しておきたいところではあるのですが、炊飯器は付属部品が非常に洗いづらい。昨今の「圧力」と名のつくものは大体付属品が多くて洗うべき項目が多くなる。
極論、洗わなければいいだけなのだけど、圧力鍋も一緒で下手に汚れが詰まったりすると故障の原因になりかねないので、やっぱりメンテナンスは大事です。
水タンクの存在
蒸気を無くすためには、蒸気を再活用するか逃す場所を別途用意する必要があるのですが、洗い物という観点では余計な付属品が付く可能性があります。水タンクなどが別途付いているので適宜洗浄する必要があるものもあります。
蒸気レス・セーブ・カットの違い
まず、厳密な定義はありません。
蒸気レスはほとんど蒸気が発生しない。蒸気カットは蒸気の通り道を循環させて外にはほとんど排出されない。蒸気セーブは蒸気を減らす機構があるもので、80%程度カットされることが期待される。
あくまでも目安ですが、表示による蒸気の抑え具合を比較するとこんな感じになります。とはいえ、ほぼ表現の違いくらいです。蒸気セーブだけは「蒸気は出る」というイメージ。
レス・カット・セーブの目安
- 蒸気レス=約95%カット
- 蒸気カット=約85%カット
- 蒸気セーブ=~80%カット程度、ここはピンキリ
蒸気以外で気にかけておきたいポイント
今回は基本的には蒸気レスのことだけを考えていきたいので、他の要素は別記事に回したいのですが、簡単にポイントだけは押さえておきます。
炊き方・熱源のタイプによる分類
- IH
- 圧力IH
- マイコン
- ガス
圧力IHがご飯を美味しくすると考えられていますが、ご飯を少量ずつ炊く場合にはそれほど気にならない。たくさん炊くと炊きムラができやすいので、大家族で常にフルで炊くようなシチュエーションだと少し高い炊飯器の方が飯のQOLが上がる。
ガス炊飯器はどうよ?
実は、私自身はちょっと「ガス炊飯器」が気になり始めています。今回はあまり関係がないので割愛しますが、なんか、ご飯を炊く工程はガスの方が相性がいいような気がするんだよな。
サイズ・合数
ご飯を何合で炊くか。一度に炊いた方が電気代と手間が減るが、おひつや冷凍保存を検討するとやっぱり面倒になる。必要分を適宜炊いた方がご飯は美味しく炊けるし、いつだって炊き立て。そう思いながらも、やっぱりついついフル炊きしちゃうんだよなー。
炊き方の種類
最近はお米によっても炊き方を微妙に変えたり、主の好みに合わせて固さなどを調整してくれる強者炊飯器も登場している。AIなどで勝手に調整するくらいじゃないと、普段はこの機能は使いこなせない。シンプルに、いつでもうまい炊飯器が優秀。
調理方法が多彩
ただ、ご飯だけではなく「調理器具」として炊飯器を購入する場合には多少の機能性があってもいいと思います。パンやお菓子などを焼いたりできるモデルもあるので、「主食が米だと決めつけるなよ」という方は是非多機能モデルも検討してもらいたい。

私は新潟県民でお米も好きだけど、ぶっちゃけ麺とパンの方が好きですからね。いろんな料理が楽しめた方がいい。米粉も好きだけど。
蒸気レスだといいことを育児と家の視点から
少し閑話休題。当サイトは「育児」と「家づくり」のあたりを中心に記事にしています。他のサイトでは仕事や趣味の話をしているのですが、このサイトだけは本当にざっくばらんに書いています。せっかくなので、この辺りの兼ね合いから「蒸気レス炊飯器」についての話題を考えていきたいと思います。
住宅と湿気の話
住宅にとって、湿度の高さは家の劣化を早める要因になります。高い湿度が保たれると結露が起こることは知ってらっしゃる方も多いと思いますが、結露が起きる家は家の躯体も水分に触れる時間が長く、腐りやすくカビやすい状態にあると考えられます。

私は賃貸に住んでいるときに「結露が強く、壁紙がかびているので交換費用を敷金から払う」と言われたのですが、これ、根本的には家の問題ですからね。メンテナンス上の過失なら微妙なところですが、慢性的に結露が生じる賃貸の場合は貸主の負担が基本です。
ただ、ここに「借主が蒸気のでる加湿器・炊飯器を置いた部分だけがかびている」場合に関しては、借主側の過失が問われる可能性があります。蒸気レス炊飯器が家のメンテナンスに関わる一例ですね。

キッチンで炊飯器を使う場合にも、蒸気の排出位置や換気などのケアを怠るとかびてしまうので、蒸気レスにしておくと少しだけ安心材料が増えるというか、雑に扱えるようになるんですよね。
かびの話
お風呂の話なので直接は関係ないのですが、カビについて知りたいことをまとめた記事があります。

寝室の話
寝室の環境を決めるのにも湿気は割と大事な要素。いや、寝室に炊飯器を好んでおく人は少ないかもしれないけど、ワンルームアパートならあり得ますし。

除湿機の話
炊飯器を生活空間に置かざるを得ない場合、除湿機をおいて対抗する、という手も考えられます。
リビングなど部屋全体の湿度を調整する
蒸気レスと同じ効果は取れませんが、リビングの湿度を下げる除湿機について書いた記事があります。ただの宣伝です。

狭い空間の除湿ならデシカント
除湿機の話を広げて申し訳ないのですが、サンルームなどの除湿機はデシカント方式がいいですよ、という話もあります。仮に炊飯器の対策を考えるなら、デシカントよりはコンプレッサーがいいとは思います。炊飯器で熱を持つので、デシカントだと部屋が暑くなりすぎるかも。

子供と炊飯器の話
子供のいたずらと相性の悪い炊飯器ですが、育児においては、結露によるカビの蔓延も大変な被害ではあるのですが、汚染した水を使用した加湿器などは子供の健康被害にもつながるかも、という記事もあります。炊飯器、ほぼ関係ないですね。

メーカー別お勧めしたい蒸気レス炊飯器
普通の記事に戻りまして、蒸気レス機能に特化した炊飯器モデルを比較検討していきたいと思います。
三菱電機
三菱電機は早い段階で「蒸気レス」の炊飯器作りに取り組まれたメーカーです。
三菱の蒸気レス機構
水冷式蒸気回収システム

わかりやすい図が用意されていたので公式HPより引用します。
- うまみは逃さず、カートリッジで分離
- うまみ部分だけはご飯に戻す
- 蒸気は水に戻す
- 沸騰後も強火を継続
- 圧力は高くない
NJ-XS108J
なかなかリッチなデザインでカジュアルな重箱のようにご飯をおいしさを包み込んでくれそうです。
- 蒸気を逃がさず、美味しさも逃さない「蒸気密封うまみ炊き」
- 強火で炊き上げる「炭」コートの厚釜
- 人気の麦飯を専用モードでふっくら炊き上げ
- おかゆの食感を選べる おかゆ炊き分け機能搭載
- 玄米の吸水を促進して、おいしく炊き上げる「玄米芳潤炊き」を搭載。
- 通常炊飯より甘みを引き出す「芳潤炊き(玄米)」に加えて”発芽米”をおいしく炊き上げる「芳潤炊き(発芽米)」搭載
- 通常炊飯より甘みを引き出す「芳潤炊き」モード搭載。
- 季節によって変化するお米の状態に合わせて炊飯できる「季節炊き」モード
- 内釜3年保証
- 計量カップの上下を逆にして、1合と0.5合のすりきりが可能な「合ピタカップ」。
- 好きな場所に自由に置ける自立式しゃもじ搭載。
日立グローバルライフソリューションズ
日立、社名が長くなったな。と思って少し調べたら、もともと長かったんだな。日立/HITACHIは通称何ですね。
2019年4月1日に冷蔵庫、洗濯機などの家電製品(白物家電)の製造・販売を手掛ける日立アプライアンスと美容系家電やシェーバーなどの販売を手掛ける日立コンシューマ・マーケティングが合併し、日立グローバルライフソリューションズが発足した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%AB%8B%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E6%89%80
日立の蒸気カットの仕組み



こちらも公式HPより引用させてもらいます。アクリル板ケースで囲ってみたら、蒸気が可視化できるというわけで、セーブモデルが蒸気が出ているのがよく分かります。カットモデルは、本当に上記が見えないですね。

この収まり具合を見ると、蒸気カットモデルがどこにでも置けるというのが分かりますね。
RZ-W100DM
- 日立独自「極上ひと粒炊き」
- 最高1.3気圧まで加圧し、沸点を最高107℃まで上昇させて、高温で加熱
- 日立独自の炊飯方式「極上ひと粒炊き」で「外硬内軟」に炊き上げる
- 「大火力 沸騰鉄釜&全周断熱」
- 鉄とアルミを合わせた多層な金属を採用
- 炊飯中に蒸気がほとんど出ない「蒸気カット」
- 0.5合から2合までの少量を選べる「少量」専用ボタン
- 用途にあわせてお好みの炊き上がりが選べる「極上炊き分け」
- 玄米も極上炊き分けが選べる
- ごはんをしっとり保つ「スチーム24時間保温」
圧力&スチーム ふっくら御膳
日立は蒸気セーブに対応したモデルが多いのも特徴。買い求めやすい価格帯に蒸気カットモデルがあるのにも注目です。
ZHENMI(シェンミ)
ちょっと面白い「糖質制限用」の炊飯器。
そもそもZHENMIとは
一応、紹介するからには身元を明らかにしておかないと。
とりあえず、ZEHNMIを取り扱っているところはHR貿易株式会社(HR TRADING CORPORATION)というところらしい。
糖質カット技術って?

日本ではあまり馴染みがないのか、ご飯の美味しさを犠牲にしてまで糖質カットしたくないのかは分かりませんが、糖質カットなんて素晴らしいものがあるのに知らないもんですね。

探してみるといろんなメーカーから出されているのだけど、病院で働いていても「糖質カットする方法」みたいなことで推奨されたことはないなぁ。
図説を見てみると、構造自体はシンプルで、お釜を少し底上げして、炊き上げ時に可能な限り糖質分を分離させて落とすというもの。お粥などでいうところの「重湯」部分をご飯に戻して炊かないで切り捨てているような感じですね。
KOKOBI
- タンク装着忘れ防止機能
- 内蓋や蒸気弁は簡単に取り外しが可能
- 12時間のスマート予約
- 22分で炊き上がる
- 独自の湯切り技術で糖質カット効果約33%UP
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