Macbookが壊れるというのは、私の生活においては収入源を作るツールを失うことに等しいので、いわば死活問題です。

年末の稼ぎ期にMacbookが壊れた時は流石に天を仰いだけど、M1チップ搭載初号機の記事が書けたのは転んでもただじゃ起きないという貧乏性なんだろうね。

パソコンってのは壊れちゃいけない時に壊れるものなんだよね。
このページでは、「Macbookを購入したけど、AppleCareって購入した時にしか加入できないから、とりあえず必要かどうか知りたい」という方のための情報をまとめています。
そして、結論から言えばAppleCareは不要な場合が多い、ということになるのですが、後悔しないためにも以下のポイントだけは覚えておいてください。
故障は予期できるものではありませんが、念のために入っておいた保険が報われる機会はそう多くはありません。しかし、加入しないで故障した時の被害はやはり甚大。
つまり、何を想定しておくかが大事ということですので、この辺りのことを少し解説していこうかと思います。
Macbookと故障に関する話
Macbookは壊れやすい、と主張する方もいますが、個人的には普通のパソコンと壊れやすさについては大差ないと思います。
Macbookが他のパソコンと違うところは、壊れやすさよりも「修理代の高さ」に他ならないと思います。修理窓口も基本的にはApple Storeかそれに準拠するApple正規サービスプロバイダを利用することになります。
Apple製品は故障しやすいのか

ちなみに、こちらのサイトに2016年と少し古めですがメーカーごとの故障率ランキングが載っていました。抜粋するとこんなランキングになっています。
パソコンメーカー故障耐久率ランキング一覧表(抜粋)
- ASUS
- HP
- Lenovo
- Apple
- Fujitsu
- Panasonic
- NEC
- EPSON
- FRONTIER
- SONY
これを見るとAppleが4位なので微妙と言えば微妙ですし好成績といえば好成績なわけですが、大事なのは、1位〜10位(あるいはそれ以下)の故障率なんて、数%の差もないわけです。
我々日本人は国内メーカーへの信頼が厚く、海外メーカーに対しては厳しい意見を持っている方もいらっしゃると思いますが、実際のところは故障率に関しては横並びと考えていいとおもいます。
Appleの初期不良は多い?
Appleに限らず、どんな製品でも初期不良は起こり得ます。Macbookで言えば、最近はM1チップを搭載したことがAppleデバイスの中でも大きな変化と言えましたが、このM1チップを初めて搭載したMacbook air 、Macbook Proでは初期不良の報告が多かったように感じます。
M1チップに関しては、これまでのIntel製のプロセッサからAppleシリコンを搭載したことにより、これまでのシステムからガラッと変更になったことで不具合が多かったのは当然だとも言えます。
しかし、今後はAppleシリコンが標準化してくることが考えられるので、不具合は多少は落ち着いてくることが考えられます。私はM1チップ初期型なので、下手に不具合が起きる前に一度買い替えようかなとは考えています。
Appleとリコールの話
リコールは設計・製造段階で問題があった場合にメーカーが商品を自主改修すること。AppleもApple修理サービスプログラムというもので対象となる製品に対しての修理・交換を行なっています。
Macbookにはどんな故障が起こりうる?
Macbookに多いとされる故障は以下のようなものがあります。
フリーズ
Macだけではありませんが、パソコンとフリーズは切っても切れない関係性にあります。フリーズはほとんどの場合は処理量が多すぎて操作を受け付けなくなる状態です。ディスプレイに反映されていなくても処理が進行している場合もあれば、処理が止まってしまい操作を受け付けていない場合もあります。
ほとんどの場合はメモリの稼働状況が改善されれば(負荷を軽減すれば)解決されますが、メモリ自体に異常がある場合にはフリーズが起こりやすい可能性はあります。特に、購入後に何の操作もしていないのにフリーズしやすい、などの場合は一度はアップルに相談しておくことをお勧めします。
起動障害
電源ボタンを押しても起動しない、操作中に突然シャットダウン/再起動するなどの起動障害が起こる可能性があります。原因は様々ですが、バッテリーに関与するものか、システムに関与するものが考えられます。
システム系の起動障害対応として、PRAM、SMCのリセットによって改善する場合があります。
PRAMリセット方法
- 終了した状態のMacで、「option」キー、「command」キー、「P」キー、「R」キーを同時に押したまま電源を入れる
- 2回の起動音が鳴るまでキーを押し続けて、鳴り終わったらキーを離す。
SMCリセット方法
終了状態のMacで「shift」キーと「control」キーと「option」キーを同時に押しながら電源ボタンを押す
スクリーン障害
Macの故障時に、画面が青や灰色になることがあります。
ブルースクリーン/グレースクリーンなどと呼ばれる症状で、原因としては互換性のない周辺機器がディスプレイに干渉して起きている場合と、システムを起動しているハードディスク/SSDに不具合が起きている場合とがあります。
周辺機器が原因の場合は、まずは原因の特定として利用している周辺機器をひとつずつ取り外していきます。周辺機器の接続で再現性のあるエラーの場合は、利用している機器が対応していないという可能性が考えられるので使用は控えましょう。
起動ディスクの不具合である場合には、早急に対処したいところです。
カーネルパニック
再起動が繰り返される症状で、スクリーンにはコードが表示されるケースが多いです。何かしらの原因でOSが立ち上がらずに再起動を繰り返しているので、まずは先ほど紹介した「PRAM」や「SMC」リセットを試してみます。
Macbookの修理ってどうしたらいいのか

ここからは、Macbookが壊れた時の修理に関する情報をまとめていきます。
Macbookの修理相場
パソコンドックというサイトが比較的詳細に料金表を出していたので、こちらを参考にさせてもらいます。ちなみに、交換パーツの価格は別途必要になるようです。(2021年12月の価格表です)
項目 | 修理費用 |
詳細診断 | 3,300円 |
バッテリー交換 | 18,700円 |
メモリ交換 | – |
ハードディスク・SSD交換 | 6,600円 |
光学ドライブ交換 | – |
ロジックボード交換 | 16,500円 |
液晶(LCD)パネル交換 | 23,100円 |
本体上半身部交換 | 15,400円 |
キーボードパネル交換 | 19,800円 |
バッテリー交換価格
バッテリー交換サービスはAppleが行っているサービス料金表を載せておきます。バッテリー交換だけでもかなりの費用が必要になることがわかりますね。
MacBook Pro
MacBook Pro | 保証対象外修理サービス料金 |
16 インチ MacBook Pro | 20,800 円 |
14 インチ MacBook Pro | 20,800 円 |
15 インチ MacBook Pro | 20,800 円 |
13 インチ MacBook Pro | 20,800 円 |
MacBook Air
MacBook Air | 保証対象外修理サービス料金 |
13 インチ MacBook Air | 13,800 円 |
11 インチ MacBook Air | 13,800 円 |
MacBook (無印)
MacBook | 保証対象外修理サービス料金 |
12 インチ MacBook | 20,800 円 |
自分で修理できる?
大体の修理は自分でもできます。有名どころだとiFixitというサイトが修理方法を掲載しています。私も壊れたMacbook Proのバッテリー交換をしてみましたが、(原因がバッテリーではなかったので)治らなかったものの交換自体はうまくいきました。
Self Service Repairという動き
また、最近では「自分で修理する権利」について見直される動きができていて、Appleも公式プログラム「Self Service Repair」というものをスタートしています。
そもそも、修理が公式でしかできないというのも、独占禁止法の観点から怪しい部分があると言えばあるのですが、Appleの場合は特に修理費用が高額なので、この辺りにメスが入った感じですね。
日本での対応はまだまだ先になるとは思いますが、将来的には自分で修理するか、依頼するかをしっかりと選べるようになり、さらに簡単な修理であれば「ココナラ」や町の修理屋さんでもできるようになることが期待できます。
正規店以外での修理はどうなる?
ちなみに、正規店以外で修理した場合は、メーカー保証から外れる、というリスクがあります。必ずというわけではないようなのですが、部品などを交換した後があると、保証が外れる場合はあるようです。
非正規店での修理の場合は、店舗ごとに対応が異なるので一概に言えることではありませんが、修理後の故障などのアフターケアがなくなってしまうことがデメリットだと言えます。
修理店舗によっては独自の修理保証を用意している場合がありますが、修理しても治らない致命的な欠陥がある場合もあり、しかも修理した後にアップル修理サービスプログラムの対象になる可能性もあります。つまり、公式の欠陥を修理店に依頼したことで受けられなくなる可能性があるということです。
AppleCare+ for Macに加入する前に知っておきたいこと

ここからは、Apple製品を購入したときにしか加入できないAppleCare+for Macについての情報をまとめていきます。
先に結論を言えば、このMacの保証延長プランはなくても大丈夫です。ですが、Apple製品は保証なしで壊れた時の修理費用は尋常ではないくらいに高いので、余計な心配をしたくない方には入っておいた方が無難とも言えます。
AppleCare+ for Macとは
AppleCare+ for Macに加入すると、以下のサービスを受けることができます。
- 保証とサポートがAppleCare+の購入日から3年間に延長される
- 過失や事故による損傷に対する修理などのサービスが定額になる
- 画面または外部筐体の損傷は12,900円(税込)
- そのほかの損傷は37,100円(税込)
- 1年間に2回まで
- Appleの専任スペシャリストにチャットまたは電話で優先的に問い合わせ可能
基本的には、他のAppleCareと同じく「サービス期間の延長」「修理代の定額化」「窓口優遇」の3本柱のサービスです。
どんな保証が受けられるか
簡単に言えば、Appleが開発したものはAppleに任せるのが一番いいし、Apple Careだけはサポートを手厚くしてあげるよ、という保証になるのですが、いまいち、この辺りのお得感が分かりづらいですよね。
- Appleの専任スペシャリストへのチャットまたは電話による優先アクセス
- グローバルでの修理サービス
- デスクトップコンピュータの出張修理:ご要望により、Apple認定技術者を派遣します。
- ノートブックコンピュータの配送修理:宅配業者がご自宅やオフィスにMacを引き取りにうかがい、修理が完了したらAppleから送り返します。
- 持ち込み修理:お近くのApple StoreまたはApple正規サービスプロバイダにMacをお持ちください。
AppleCare+がないと電話相談は有料なの?
ちなみに、Appleの専門的な知識を用いて問題を解決するような事態に関しては、Appleは電話相談も有償サービスとしています。ただ、普通に「パソコン壊れた!」とかいうときにどうしたらいいか、などの相談は受け付けており、修理が必要な診断くらいはやってくれる場合は多いです。
ただ、いずれにせよAppleの窓口は混み合いやすく、一度相談を始めると複数回にわたって電話やチャットのやり取りが必要になる場合が多いので、優先アクセスにはそれなりの価値があると思っていいと思います。
しかし、優先アクセスだけのための保証には少し高いので、あくまでも付帯サービスといった考え方でいいと思います。
修理サービスは優遇されるの?
Macbookの修理が優先的に受けられるかというとそういうものでもなく、Macの場合はiPhoneのようにエクスプレス交換が利用できるわけでもないので、修理の際にはAppleサポートアプリや問い合わせ窓口から修理を依頼することになります。
ただ、修理の際には一度はどんな症状か診断してもらう必要があるので、その問合せに関しては優先アクセスで優遇されているとは言えますけどね。
保証の対象となるMacbookはどれ?
保証の対象となるデバイス・アクセサリは以下の通りです。
- Mac本体
- バッテリー
- 電源アダプタなどの付属品
- Apple純正メモリ(RAM)
- Apple USB SuperDrive
- 過失や事故による損傷に対する修理などのサービス
(1年間に2回まで。1回につき、画面または外部筐体の損傷は12,900円、そのほかの損傷は37,100円の税込サービス料がかかります)
バッテリーの保持容量はどうやって調べるの?
ハードウェア製品保証にバッテリーが含まれていますが、条件として「保持容量が本来の容量の80%未満になった場合」とあります。Macbookのバッテリー容量は、「システム環境設定」の「バッテリー」から調べることができます。


iPhoneと同じように、バッテリーの容量も調べることができます。むしろ、なぜiPadでは調べられないのか。

Macbookの場合は、保証期間が3年となっているので、バッテリーに関してはギリギリ80%まで低下するかどうか、というところだと思います。最近のバッテリーは性能がいいので年々ハードルが上がっています。
ソフトウェアサポートは何をしてくれるの?
ソフトウェアサポートは、故障や修理に限らず、Macbookを操作する上で何か困ったことがあったら、Appleの専任スペシャリストが問題解決のための方法を考えてくれるというもの。
- macOSとiCloudの基本操作
- 写真、iMovie、GarageBand、Pages、Numbers、KeynoteなどのApple純正アプリと、Final Cut Pro、Logic Proなどのプロ向けアプリの基本的な操作方法
- プリンタとワイヤレスネットワークへの接続
しかし、公表されているサポート内容は上記のとおりであり、案外、答えてくないんだな、という気もします。でも、これらのApple サービス、使いこなせている方も少ないと思うので、「大事な写真を消しちゃった!」とかでも一度相談してみると意外な解決方法を教えてくれるかもしれませんね。
Apple Care +の価格に関するあれこれ
ここまで、Apple Care +のサービス内容について解説してきました。修理費用が安くなることと、手厚いサポートがあるのはわかったと思いますが、果たしてこれは、価格に見合っているのでしょうか。この辺りのApple Care +の価格に関する話題をまとめていきます。
Apple Care +のMacbookのモデルによる価格一覧表
機種 | AppleCare+料金 | AppleCare+の修理費 | 本体価格 | 本体価格とApple Careの価格比 |
13インチMacBook Pro | ¥27,800 | ・画面のみ、および外部筐体のみの損傷 11,800円 ・その他すべての損傷 33,800円 | ¥148,280 | 19% |
14インチ MacBook Pro | ¥30,800 | ・画面のみ、および外部筐体のみの損傷 11,800円 ・その他すべての損傷 33,800円 | ¥239,800 | 13% |
16インチMacBook Pro | ¥42,800 | ・画面のみ、および外部筐体のみの損傷 11,800円 ・その他すべての損傷 33,800円 | ¥299,800 | 14% |
MacBook Air | ¥22,800 | ・画面のみ、および外部筐体のみの損傷 11,800円 ・その他すべての損傷 33,800円 | ¥115,280 | 20% |
2021年12月現在で販売しているMacBookとAppleCare+の料金について表にまとめてみました。カスタムすれば価格に変動がありますが、おおよその目安として参考にしてください。
他のApple製デバイスと同様、AppleCare+の価格は本体価格の15%〜20%程度で設定されています。
修理はいくらくらいするものなのかがポイント
ただ、iPadやiPhoneはサポート対象外の修理費用が概ね固定されているのに対して、Macbookの場合は修理費用の参考とできるものがありません。
一般的な修理相場からすると、前述のように交換パーツと技術料だけでも5万円〜10万円程度の修理費用となる場合が多く、やはり故障原因によって大きく変動するものと考えられます。
しかし、どの修理においても、大体4万円くらいはかかる、というのが相場。そう考えると、AppleCare+の価格くらいはすることになるので、修理費用を込みで考えても、2回修理が必要なケースにおいてはAppleCare+の方がお得、ということは言えそうです。

一度故障し始めたPCは修理しても故障を頻発することが多いけど、こうなってくると買い替えも検討すべき事案であって、AppleCare+でどこまでカバーしたいのかは購入前に検討しておきたいところですね。
製品基本保証との違い
忘れてはいけないのが、Apple Care +に加入しなくても、Apple製品を購入すれば製品の基本的な補償を受けることができます。
無料でも補償が受けられるならそれだけでもいいじゃないか、と感じるところでもあるので、製品の基本保証とApple Care +の違いについて簡単にまとめていきます。
- 基本保証は無料で付与されるが、AppleCareは本体価格の15%程度の支払いが必要
- 基本保証では過失による故障は対応しない(通常料金での修理)
- AppleCare+は修理費用が一定額を上限とした自己負担金のみ
- 基本保証は1年間の保証期間、AppleCare+は3年に延長
- ソフトウェアサポートは90日間から3年間に延長
結局、MacbookでApple Care +は加入しておくべきなのか
結論は何度か書きましたが、普通に使っている上でMacbookのApple Care +でお得になるような修理が必要になることはそうそうありません。

パソコンが壊れるのは、初期不良を発見するための購入後の数ヶ月館と、経年劣化が始まる5年程度経過した後だよね。

私のMacbook Proは使用後3年で壊れたけどね。ただ、あれはバッテリーが膨張しすぎてマザーボードを痛めたり、できた隙間から埃が入ったりしていたんだろうけど。
Macbookの場合はiPhoneやiPadよりも長めの3年間の保証期間が得られますが、一番壊れやすい時期に関しては保証対象から外れてしまうこともあり、この辺りは悩ましい部分です。
Apple Care +に加入するかどうかは、あくまでも「自分の過失で故障させるかどうか」という部分であり、自分の過失とは使用環境や使用方法が重要だと思います。
Macbookを壊しやすい方の特徴
- 使用環境が高温/低温、多湿
- 直射日光が当たる場所に保管
- 移動しての使用が多い
- カフェなどで飲食を伴う使用方法をする
- 注意散漫がちの特性あり
- 認知機能や身体機能が老化により下がってきている
- 子供と一緒に過ごす、子供に使わせる
AppleCareだけじゃない、スマホの保険も考える
別の記事でスマホの保険についてもまとめていたのですが、iPhoneに関してもApple Care +はなくてもいいなと思っています。ただし、やっぱりスマホに関しては落下や水没リスクが高いので、こちらに関しては気兼ねなく使う分には保険があってもいいのかな、と思っています。
そして、スマホの保険のついでに、それならパソコンやタブレット、イヤホンから携帯ゲーム端末まで、全て丸ごと保証してくれる保険ていうのがありまして、これがモバイル保険です。

流石に他の記事を読むのは面倒だと思いますが、簡単に言えば以下のような端末保険になります。
- 月額700円で3端末(主端末1台、副端末2台)の登録が可能
- 年間最大10万円まで保証
- 簡単WEB申し込みで完結!
結局、月額700円も必要なら、Apple Care +でもいいような気がしてくると思いますが、スマホやタブレットをまとめて管理できるのは、買い替えなどでいちいち保険のことを悩まなくていいという点で非常に楽チンです。
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