ミルクをつくりたいあなたの前に、3つの道が並んでいます。
今回ご紹介するのは、一番お手軽でしかも安い、電気ケトルコースを選んだあなたのための記事になります。
赤ちゃんにミルクを作るためのケトルとは
この記事では、「ミルクを速攻で作るために、格安でお手軽な方法」を提案します。
先に結論から言えば、電気ポットの大御所でもある「タイガー」の「わく子」さんが圧倒的にミルク作りには最適な答えだと私は思います。
しかし、当サイトのお勧めをみんな無視して、「温度調整機能付き」の「T-fal」の電気ケトルを買う方が圧倒的に多いことも、内緒でお伝えしておきます。

高くても、赤ちゃんにはしっかりとした温度のものでミルクを作りたい方が多いのですね。
タイガーの「わく子」がミルク作りに最適な理由
これは、安全性がとても高い機種だからです。さすがメーカー品です。ネーミングセンスも一周回って、頭グラングランになったら秀逸に感じますよね。

うん、もうとにかく火傷しないね!
電気ケトルでミルクを作るデメリット
今日は、これだけ知ってもらえれば「ミルク作り」の心構えが変わると思います。

電気ケトルでミルクを作る最大のデメリットは「煮沸によるカルキ抜き効果がほとんどない」ということです。
沸騰してすぐに加熱を辞めてしまう電気ケトルでは、トリハロメタンという発がん性物質の水中の濃度が(少し)濃くなってしまいます。
このトリハロメタンは、やかんで煮沸した場合だと蒸発するのですが、電気ケトルだと蒸発するまでは加熱を続けないんですね。
詳しくは、こちらの記事で書きました。
有害物質の濃度をわずかに高めてしまうという点では、安全とは言い切れないのが電気ケトルでミルクをつくる欠点と言えそうです。
母乳派もいざという時は粉ミルクの準備を
ここで、ミルク派か、母乳派かを言い争うつもりはありません。母乳派であっても、妻の体調次第ではミルクをつくる必要があるのです。

男性は、乳牛くらいにおっぱいを絞ればミルクが出てくると思っている節があるけど、出ない時は出ないし、痛い時もあるし、普通に体調が悪くて抱っこできない時だってあるからね。

できる男である皆様は、よめくまに言われずともミルクを作る準備はしておきましょう。
「免疫グロブリンはミルクでは与えられないから」云々など蘊蓄を語る場面ではないのです。ちなみに、母乳内はIgAだったと記憶しています。
ミルクは70度のお湯でつくるといい、っていうのは本当?
そもそもなんで電気ケトルがいるの?

水道の蛇口がひねればお湯が出るじゃないか。
私なんぞはそんなことを考えてしまうのだけど、ミルクは熱湯で溶かさねばならぬらしいのです。
本当に殺菌できるのか
その理由は第一に殺菌とのこと。
粉ミルクの中にも雑菌がいて、それが70度以上の熱湯にさらさないと不活化できない。
でも、それってどこにでもいる菌なんだから、ミルクだけ殺菌しても、もっと身の回りの殺菌すべきものはそのままでええの? とか(偏屈な私は)思ってしまいますよね。
ミルクを飲むのはまだ体の防御機構が未熟なあかちゃんです。
粉ミルクをつくる場合は、最大の注意を払った方がいいんですよ。

とにかく70度以上のお湯で粉ミルクは溶かすべし。
もう、これは鉄則らしい。
ちなみに70℃でも足りないという意見も
あくまでも研究結果ではありますが、致死率の高い細菌が生き残ることもあるという論文もあります。
エンテロバクター・サカザキについての記事もこちらです。

それなら、沸騰したお湯でもいいの?
ぐつぐつに煮立ったお湯でもいいそうです。
ちなみに、沸騰に近い温度だと、いくつかのビタミン系とラクトフェリンなどのアミノ酸系が破壊されるそうですが、これは栄養学的には問題ないとのこと。
殺菌目的なら100度で溶かしたほうがよさそうだけど、栄養素を保つなら、やはり70度くらいにしてから溶かしたほうがいいってことです。

……なかなか面倒ですね。
粉ミルクの作り方
そうなると、粉ミルクの製造過程は以下の通りになります。
- 水を煮沸
- 70度程度まで冷ます
- 70度の湯でミルクを溶かす
- 人肌程度(40度弱)までさらに冷ます
- 赤ちゃんに吸わせる
- 排気(げっぷ)させる

この工程が必要ってことですね!
さらには、下準備として哺乳瓶の消毒やらなにやらあるから大変です。
準備が面倒という点では、母乳の方がメリット大きいと感じる方も多そう。この辺りは旦那でもできるところなので積極的に手伝いましょう。
ミルク作りの工程はこちらの記事で詳しく書いています。

どうせ湯冷ましするなら、普通に速攻で湯を沸かす電気ケトルで
前説で書きました通り、ミルクを溶かすだけでもいろいろな工程が必要です。それなら、とりあえず欲しいときに湯を沸かす電気ケトルでいいんでないの?と思います。
昨今の魔法瓶というものは、ほとんど湯冷めしないといいますか、3~4時間たっても70℃くらいまでならキープできます。
- 電気ケトルで速攻お湯生成
- 煮沸した熱湯はとりあえず魔法瓶に投入
- 魔法瓶で程よくぬるくなったお湯でミルク作成
調乳のための電気ケトルを選ぶ
電気ケトルを選ぶ上で重要な点は、以下の3点。
今回は特に「ミルク(調乳)用」ということもあるので、安全性についてもよく検討していきましょう!
温度調整機能は必要?
近年、お湯を沸かすことに特化していた電気ケトルに、温度調整機能が付きました。

赤ちゃんのミルクの調整に最適な70度設定もできるとのこと!
ただ、どこのメーカーも、「70度に沸かす(温める)」ことはできるのですが、「一度煮沸して、70度まで冷ます」ということができないんですよね。(出ました。後半で紹介します)
ミネラルウォーターなんぞであれば、基本的に殺菌処理されているので、このまま70度調整でいいのかもしれませんが、なんとなく煮沸しないとあかちゃんには心配だな、という気持ちがぶちくまにはあります。
というわけで、温度調整機能はあえては不要ということで。
温度調整機能ならティファールが一歩リード
ミネラルウォーターを温めるのであれば、2017年に、「ケトルといえばティファール」という、T-falから温度調整機能付きのケトルが出ています。
見た目はいわゆるティファールのケトルという感じですが、土台のところに温度表示盤がついています。
ボタンもシンプルで使い勝手は良さそうです。
ティファール アプレシア エージー・プラス コントロール
温度調整機能も使いたい、だけどどうしても水を煮沸しておきたい場合は、煮沸したお湯は作り置きしておいて、「70度で再度温める」という手もあります。

まぁ、そこまで「トリハロメタン対策のためのカルキ抜き」を気にしなくてもいいとも思っている。
電気ポットなら一度煮沸する
煮沸して70度で保温しておくなら、電気ポットのほうが使い勝手はいいです。
常時保温になるので電気代はかかりますが、一度煮沸したお湯が70度で保温されているので、夜中にいちいち温度調整しなくていいのは、おかあちゃん大助かりです。
ミルク用の電気ポットでお勧めは「とく子」さん
お勧め、といいますか、ぶちくまがほしいのは、タイガーのとく子さん、その名とは裏腹にクールなデザインのPIM-G220です。
魔法瓶構造なので、電源入れてなくても保温できるし、何より男心をくすぐる外観で、ボタン押したらブラックコーヒーくらいなら出てきそう。
安全性でおすすめのケトルは?
安全性でケトルを選ぶ際のポイントです。
「Tigerのわく子」が一番お勧め!
今回の選定基準としては、まずは安全。

赤ちゃんがいる、ということなので、ついうっかり電気ケトルを倒してしまい、あかちゃん大やけど!
これが一番怖いし、意外とこういう事故が多いらしく、消費者庁から注意喚起がありました。
Vol.489 電気ケトル等の転倒によるやけど事故に注意!|消費者庁
安全面では、タイガーのわく子さんに適うものはありません。
電気ケトル界は、今やT‐falが強力な地位を気づいておりますが、国内で唯一対抗できるのがタイガー。フランスの英雄ナポレオンに牙をむくのは一匹の和虎だったみたいです。
デザインは安っぽく見えるのが難点
T-falはプラスチックに抗菌加工しておりますが、わく子さんったら外側は若干プラスチッキーなんです。

だけど、中見たらすごいで、ステンレス加工やで。
ステンレスにフッ素加工してたほうが信頼度が高く感じるのは、ぶちくまだけでしょうか。

内空構造のため、外側に触っても熱くない。なにより転倒時に水がこぼれない(こぼれにくい)構造です。
上位機種には蒸気レス機能もついて湯沸かし中のやけど予防にも一役買っております。安全面ならわく子さん一択です。
たまたま、ページ更新で見直しているときに、Amazonで「定価で出品して割引率で買わせる商法」の影響で1万円超えてました。普段、5,000円もしないくらいです。(最新機種だと少し高めだけど1万円はしない)
ケトルの安全性をレビュー:タイガーわく子の場合
デザインは見ての通りやはり野暮ったい感じはありますね。ただ、買ってみてみると、安っぽいプラスチックではなく、やや光沢があって、一般家庭の普通に生活感があるくらいの家だったら問題なく使えます。
安全性はやはり一番安心できた
でも、スチームレスでポットを倒してもこぼれない機構は、安全性への配慮が高くて、子供がそばにいても安心して使えます。
容量は0.8Lで十分だしミルク用ならさらに小さいサイズでも
ケトルはやっぱり0.8Lも容量があれば十分ですね。ミルク用であれば600mlでいいな。
ミルクはせいぜい200mlくらいなので、すぐに沸かせられるこのくらいのサイズでいいみたいです。
2021年は沸騰後の温度調整も可能に
少し最近の話題も織り交ぜつつ。この記事が読まれたからか、全く関係ないのか、関係ないに決まっていますが、「沸騰してから設定温度で保温してくれる」電気ケトルが立て続けにリリースされています。

いや、これでも結構読まれてるんですよ。
siroca SK-D171
今、圧倒的にお勧めしたいミルク用電気ケトルが、こちらsirocaの温度調整電気ケトルです。
お洒落な雰囲気を出しつつ、何と1度ごとに温度調整が可能。
赤ちゃんのミルクのために一度沸騰してから、設定温度で保温する「煮沸モード」を搭載しているので、コーヒーや紅茶の微調整から、ミルク作りにまで最適な温度を操作不要で実現してくれました、本当にありがとう。

予算の折り合いさえつけば、今年一番のおすすめと言えます!
アイリスオーヤマ ドリップケトル IKE-C600T
1度なんて微調整は必要ない、という方は、雰囲気は近く5℃ずつの温度調整が可能なアイリスオーヤマのドリップケトルがお勧め。
ラッセルホブズ Russell Hobbs 7106JP

沸騰後にそのまま置いておけば、温度調整が可能なのでミルク作りにも使えます。7段階の温度調整が「少なく感じる」のはsirocaが頑張りすぎたからですが、文字盤も洗練されたものが欲しいなら、ラッセルホブズのケトルも検討してみて欲しいです。
2021年以前のベストセラー商品たち
最初にこの記事を投じたのは、2017年のこと。チョコチョコ手入れしているのですが、2021年を境に、ここからを旧製品とします。
ティファール ジャスティン プラス
まぁ、うっすら気づいてはいた。T-falのほうがおされ。ということもあり、いつ見たって電気ケトルのAmazonベストセラーに輝くのは、ティファールのジャスティンプラス。

値段も機能も電気ケトルとしてはちょうどいい。
ちなみに、タイガーはステンレス加工やで!と言っておりましたが、T-falも上位機種ではマイクロバン抗菌プラスチックなるものが採用されており清潔面にも力を入れております。
さて、この中からお好みのものを選ばなければいけない。悩ましいのぉ。とはいえ、あかちゃんのことを考えたら、安全面で一歩優勢なタイガーかな。
ミルク用には向かないもののバルミューダも紹介
絶対にミルクには向かないんだけどね。
もし、うっかり家電をバルミューダで揃えようと思った方、残念ながらバルミューダのケトルもあります。
まぁ、かっこいいよね。バルミューダの黒の家電のずっしり感はすごい。そしてネーミングも「The Pot」は自信の現れ。似たようなことを、バルミューダの「The Cleaner」でも書いたような気はする。

電気ケトルと一緒に用意すべきもの
ミルク・授乳に必要なものをまとめた記事もあるのですが、リンク踏むのは面倒だと思うので、こちらでも紹介します。

ミルクをつくために必要なもの
まずはミルク周りで必要なものを紹介していきます。
Pigeonの「母乳実感」240mlのプラスチック製がお勧め
お勧めはピジョンになります。「母乳実感」はシェアトップクラス。
悩まれやすいポイントとして「容量」「材質」があるかと思いますが、とりあえず、「240ml」「プラスチック」でミルク卒業まで使える。
]あとは消毒セットも時短のためには用意しておいた方がいいです。
コンビの「除菌じょ〜ず」が電子レンジ適応してればお勧め
正直、哺乳瓶の除菌に関しては「魔除け」の意味合いが強いとは思ってる。
でも、いざ赤ちゃんがお腹壊したりした時に、母親は自分を責めるから、とりあえず消毒はしておこう。

ただの腹下りも赤ちゃんには一大事だからね!
そんなところで、「煮沸消毒=鍋で煮る」が一番シンプルだしほぼぶちくま家も半分はそれで乗り切りました。
でも、やっぱりお湯が沸くのを待つのは大変だし、一回は鍋に火をかけたまま忘れていて火事になりかけたことも!
結局「保管しておく場所」が必要になるので、一石二鳥のコンビの「除菌じょ〜ず」が
一番お勧めになります!
とにかく面倒が嫌であればミルトン→そのまま使用でもOK
一番楽なのは、ミルトン消毒ですね。
適当なケースに哺乳瓶入れて、ミルトン入れるだけ。
ミルトン消毒は医療現場の(汎用的な)消毒でも使われているくらいなので、除菌力は折り紙付きだし、使いやすさも魅力です。
ミルトンは、実は、すすぎも不要なんです。調乳したミルクと反応して無害な成分に分解されるんだとか。
すすぎは不要と思っていても、ついつい疑って、すすいでしまうのが母親なんだけども。
魔法瓶との合わせ技がかなり便利
というわけで、エアーポットという名の魔法瓶についてもまとめた記事があります。
お時間があればご覧ください。

電気ケトル→魔法瓶で、沸かしたお湯を電気代を使わずに数時間ミルクにちょうどいい温度を保ってくれます。
寝る前に魔法瓶に入れておけば、寝室に魔法瓶をもっていけば、キッチンに行かずにミルクがつくれます。
やっぱり一番楽なのはウォーターサーバー
1年間ミルクを作り、ブログに最善策を提示し続けてきました。

結論としては一番楽なのはウォーターサーバーでした。

私としては、月々のお金がかかることなので、「手放しにお勧め」まではしませんが、余計なストレスから開放されたいなら、期間限定でサーバー使うのはありかなと。
当サイトお勧めのまとめ
長い文章を読んでいただきありがとうございました。書く方はそれなりに楽しいのですが、読む方は大変ですよね。
最後に、このページで紹介したお勧めのケトルやアイテムなどをまとめておきますので、気に入った商品があったら、Amazonや楽天のレビューなども参考に使ってみてください。少しでもミルク作りが楽になり、電気ケトルの購入の決めてとなれば幸いです。
コメント
ぶちくまさんは、どのメーカーも電気ポットでは沸騰させずに70度の保温と紹介されていますが、タイガーのホームページには、一旦沸騰させて70度に保温と掲載されています。
田中様 コメントありがとうございます! すいません、当記事では温度調整に関しては電気ケトルのみについて言及したつもりでしたが、誤解を招く表現でした。また、添付いただいたURLも大変参考になりました。電気ケトルはそもそもの存在意義が「シンプルに早くお湯を沸かすこと」なので、電気ポットのような「カルキ抜き」のような機能性は求められていないんでしょうね。ケトルは機能面ではなく、デザイン方面にベクトルが向いているのか、海外製も含めて興味をそそるたくさんのものがあります。日々精進して記事を更新してまいります。
ご丁寧にお返事ありがとうございます。私の読み違えで失礼しました。
ブログの記事は、調乳のポット選びに参考にさせて頂きました。
ありがとうございました。