洗濯機の乾燥機能は、すこぶる便利です。
便利すぎて何が起きるかというと、「洗濯としてはあるまじき電気代」とのトレードオフ。

基本的には、洗濯機の乾燥機能は不要です。というのは、なんだかんだ、家事労働に対して等価以上の働きが自由にできる経済体系に身を置く人間は少ないからです。
ややこしい言い方をしましたが、「時給800円で稼げる人間」の時間価値は800円ではなく、働ける環境に身を置いてこその時給800円なのです。

グダグダ言い始めるグータラ旦那は、黙って洗濯物干すなどの家事をしていた方がお得です。
ふぁっ?
なんだかんだで手間が多い乾燥機能
少しでも洗濯に要する手間と時間を節約したくて手に入れたはずの乾燥機、なんだかんだで振り回される未来が待っています。
意外と使われない、乾燥機能

東京ガスの、ガス式衣類乾燥機の誘導ページなので、マユツバでいいと思いますが、実際、全自動洗濯機の乾燥機能を使っている人は、50%程度かなと思います。
ほとんどメンタルの問題
乾燥機能が使われない理由としては、以下の通り。
- 電気代がもったいない
- 外干しの方が気持ちがいい
- 部屋干しが気になる
- 結露・カビの原因に
- 不格好
- スペースの問題
実際的な生活スペースとしての問題はあるものの、割合で見ると、ほとんどが「パリッとしていない」がほとんど。外干し信仰が根深い日本ならではの風習です。
問題だらけの外干し問題
除湿機の記事にも書いたと思いますが、実際、外干しも結構、面倒なんです。
- 花粉・黄砂などが付着する
- 居住・在宅環境が周囲にバレる
- 防犯としても悪影響
- 日光の除菌効果を過信
- 日光は衣類を傷める
シワの対策が手間
手間、というよりも、全自動洗濯機なのに、乾燥の際に取り出す必要があるというのがすでに面倒。
シワの原因に
まず、洗濯したまま乾燥させると、シワになりやすいです。
シワになりやすいものに関しては、濡れている(湿っている)状態から干した方が良い場合もあり、乾燥させるものをより分けるためにも、洗濯後に洗濯物は一度取り出すことになります。
洗濯と乾燥の許容量は違う
機種によって異なりますが、洗濯・脱水容量と乾燥容量は異なります。洗濯終了後に、許容を超えた洗濯物は取り出す必要があります。
洗濯容量の半分は回収の必要あり
概ね、洗濯容量の半分程度が乾燥容量となります。先述の理由もありますが、我が家のように「溜められるだけ溜めて」から洗濯するだらしない家庭だと、乾燥機能がオーバーリミットしてバーストしちゃいます。
対策は洗濯前に「わける」だけ
わけると言っても2パターンあります。
乾燥機能を使うものは曜日ごとにわける
つまり、「そのまま乾燥機能を使う」ことを想定して、乾燥機を使わない日と、乾燥機だけで洗濯する日を決めてしまい、その日に向けて分別しながら洗濯物を溜めていけば、解決するわけです。
洗濯後に乾燥させないものはネットに入れておく
ものすごく、くだらない基本的な対策ですが。
乾燥させないものはネットに入れておいて、洗濯後にまとめて取り出します。色物や系統ごとにわけることがほとんどですが、「洗濯コースで回収」ネットと「乾燥までさせる」ネットで分けておくと、回収の手間は少し楽になります。
乾燥機かけたまま外出できる?
検索していると多かった疑問。外出はできますが、危険性はあります。

最近は、スマホアプリで外出中に選択できるようになったけど、乾燥機能は十分に注意しないとね。
火災の原因にはなる
油系がやばい
アロマオイルやサラダ油がついた状態で乾燥機をかけると、高温・乾燥・火種・燃えやすいものという、出火しやすい条件が整います。
- 空気と接触面積が大きい
- 風通しが悪い
- 温度が高い
ホコリ掃除する手間
火災の流れで書いておきますと、乾燥機使用時は「埃の掃除」が必要になります。
乾燥用のフィルターは必須
乾燥フィルターだけなので、それほど大変なわけではないですが、「掃除」が嫌いな我々夫婦にとっては宿敵です。
掃除しなさすぎると火災の原因に
洗濯機周囲は、掃除がしづらいためホコリが溜まりやすいのですが、水周りでもあるので漏電しやすく、結果として出火する危険性のある家電です。

ウォーターサーバーの火事の原因と似ています。

ネットから取り出すのも手間
シワの問題もそうですが、正しく乾燥させないと、生乾きが匂いの元やカビの温床になってしまう可能性があります。乾燥させるには、以下の点に注意します。

、、、ネットから、出す?
絡まった衣類を解くのも面倒なのに
衣類なんかをチョチョイとほぐすのは、まぁ、なんとなくできる気はします。ドラム式なら、衣類を外側からちょいちょい摘むくらいでほぐせます。

でも、ネットから出すのは結構面倒ですね。気が短いので、「もう、そのまま干すわ」ってなりそう。
どうせ干す
一昔前だと、部屋干しの時間を短縮する程度、言い換えると「結局干す必要がある」のが洗濯機の乾燥機能。そのイメージが強く、しっかり乾燥させるなら「ガス温水式の乾燥機」を別に買った方がいいという方も多いと思います。

今の洗濯機なら、そのまま取り込めるし、シワさえ気にしないなら、タンスにも突っ込めるレベルだよ
ということです。すげぇな、今の洗濯機。
Cubleのようなヒーター式だと無理
我が家は、ヒートポンプ式ではない、おしゃれ重視のCubleなんか買ってしまったがために、普通に部屋干ししてますけど、干す作業をなくせるかどうかは、洗濯機を選ぶ際の重要な視点。

中途半端な乾燥機能なら、いらない。

除湿機利用で部屋干しの課題を克服
我が家はサンルームで除湿機を利用してことなきを得ています。でも、これはあくまでも「洗濯専用スペース」を構築した我が家だからできるのであって、実際、リビングに除湿機とかは、抵抗のある人も多いと思います。

干す工程をなくすかどうかが乾燥機能の「必要ライン」
洗濯機に打ち込んで、乾燥機までフルで回して、終わったらカゴに入れるかハンガーにかけて終わり。とにかく「干す」という工程をなくすかどうかが「乾燥機能」の有無を決定づける。

先にも述べましたが、10kgの洗濯をやっちゃうと、絶対に「干す」作業が出てきます。これやるくらいなら、乾燥機はいらない。
干す時間と労働力との兼ね合い
一応、さくっとだけ解説します。
あなたの時間単位の価値次第
まず、「時間」を「お金」に変えられる方は、想像しやすいと思いますが、副業をしていなかったり、雇用でしか働けない方は、時間があるなら家事などに専念した方がお得です。
自由に残業時間とか操れるなら計算する価値ありますが、自由時間をお金に変えられる人は今のところ少数。その場合は、素直に乾燥機能をつけるより自分の労働で補った方がお得です。

「俺は外で働いてくるからいいんだ」と、口では大きなこと言ってるうちの旦那も、家にいる間は無能なので家事をさせた方がお得ということですね。

、、、干してきます。
時間対効果が測れる人の場合
一方で、時間をお金に変えられる方の場合は、「洗濯」に対してどれだけのコストを払う必要があるのかを天秤にかけて、乾燥機能に対してお金をどれくらいかけてもいいのかを考えていきます。
1年間での洗濯回数は、1週間に2回なら、年に100回程度。3回なら150回。毎日なら365回。5年で買い替えまでの償却ができるとしたら、洗濯回数が少ない場合は、500回=1回400円、毎日なら約100円で償却していきます。

間をとって、1回250円が「乾燥機能付き洗濯機」の価格だとすると、さらに電気代を加えた300円が、乾燥機能の値段と言い換えられます。
干す時間が完全になくせる算段なら、1時間1,000円稼げる人の場合なら、乾燥機能を買った方がお得。1時間800円なら、怪しいところ。

1時間ブログ書いて、3000円くらいで売れるから、その場合はブログ書いてた方がいいってことだね!

0円の記事もあるみたいだけど?

、、、干してきます!
ただ、「外干し」になると移動時間が増えたり、洗濯機の値段次第なところもあるので、あくまでも参考値です。

体感としては、自由に使える時間が増えるのに必要な投資、という感じはするけどね。
乾燥機能で選びたい洗濯機ランキング
毎回、やっつけで作る家電ランキングです。今回は、あくまでも乾燥機能についてのみを検討事項としていきます。
乾燥機能でチェックすべき項目
- 乾燥容量
- ヒートポンプ式(ヒートリサイクル)
- 掃除方法
- 乾燥時間
- 電気代

やはり乾燥機能は、「取り出してすぐにしまえる」レベルまで乾燥させると、洗濯機も高価格路線で、電気代もかなりかさみますね。
パナソニック NA-VX900
個人的にはドラム式洗濯機の覇者はパナソニックなのですが、2020年現在は実力が肉薄してきました。しかし、最初に紹介するに値するのは安定した実績があるから。
スマホで遠隔操作はありがたい

いまいち想像がつきにくかったのですが、スマホで洗濯が指定できるのは思った以上に便利です。
洗濯だけで考えると、干す時間などの逆算が入って面倒になるのですが、乾燥も考慮して「完成品」が出来上がることを考えると、「取り入れたい時間」を考えるだけなので便利。

天気がいい日に、午前中までに干すところまでは、なんて焦る必要もないもんね

慌ただしい時だと、洗ったままの洗濯物がドラムの中で腐ってる、なんてこともないね。

槽洗浄なんかも、子供がいない時間にパパッと終わらせちゃいたいしね。
乾燥機能はここまできたという「タオル専用」

水量を増やしてやさしく洗い、ほぐし運転でタオルのパイルを起こし、風をしっかり当てて乾燥。ふんわりした風合いと吸水性を保ち、気持ちいい肌ざわりのタオルに仕上げます。
https://panasonic.jp/wash/products/vx/heatpump.html#towel

専用乾燥機には敵わない全自動洗濯機の洗濯機能ですが、合わせ技で「洗いと乾燥を最適化」することでクリーニング屋さんの仕上がりを実現した、ということも可能になりました。
熱風乾燥でダニバスター
そういえば、乾燥機能は熱風を使用するので、ダニの対策にはうってつけでした。
試験方法 | 対象部分 | 試験結果 |
毛布に付着させた ダニの死滅率測定 | 毛布に付着したダニ | ダニの死滅率99%以上 |
ダニ付着試験布のアレル物質 (ダニのふんや死骸)測定 | 毛布等 | アレル物質 (ダニのふんや死骸) 除去率99%以上 |
日立 ビッグドラム BD-NX120
置き型洗濯機としては安定した実力はあるのですが、ドラム式は野暮ったいデザインに加えて、パナソニックの背中を追っていまいち追いつけない機能性で「今ひとつ」の印象が拭えない日立。
風アイロンに力を入れているけど、「しっかりと乾燥させる」とは方向性が少しずれているので、今回はあまりおすすめではないかな。
東芝 ZABOON TW-127
東芝は、なかなか期待できるモデルが登場してきました。


乾燥機能に関してはパナソニック以上かもしれません。
シャープ ES-W113
先に申し上げておくと、シャープもかなりいいです。

乾燥フィルターの自動お掃除


個人的には、週に1回でも面倒には感じるところですが、毎回フィルター掃除とかやってられないので、これは助かります!
ハイブリッド乾燥
序盤の「外干し信仰」に真っ向から対抗してくれたのが、SHARPの「ぽかぽかおひさま乾燥」です。

省エネ実績
省エネ低コスト | 標準使用水量(約) | 目安時間(約) | 消費電力量(約) | 1回のお洗濯にかかるコスト※1 | (水道) | (洗剤) | (電気) |
洗濯~脱水 11kg | 78L | 35分 | 65Wh | 32.9円 | 20.3円 | 10.8円 | 1.8円 |
洗濯~乾燥 6kg | 52L | 155分 | 600Wh | 37.8円 | 13.5円 | 8.1円 | 16.2円 |
https://jp.sharp/sentaku/products/esw112/
COCORO WASHがいい

SHARPの家電といえばヘルシオですが(偏見)、ヘルシオが料理の提案などしてくれることは、家電好きの方なら知っているはず。

今や、洗濯にも口を出すようになってきたお世話付きなSHARP製のAIoTです。
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